DSA装置
DSA装置について
血管撮影装置「ARTIS icono D-spin」を京都府下で初導入(2023年9月現在)
当院ではこのたび、血管撮影装置「ARTIS icono D-spin」(ドイツ・シーメンス社製)を京都府下の医療機関で初めて導入しました。
当装置は、脳神経外科をはじめ放射線科や循環器系(心臓カテーテル・不整脈アブレーション)など多目的に活躍できます。また血管撮影室の空調に関しては、高性能フィルターを配置し換気条件を整えたことで、手術室と同等の空気清浄度を保てるため、大動脈ステント内挿術(心血管外科施行)や心臓デバイス植込み術(ペースメーカ、植込み型除細動器)などの手技に適合したハイブリッド治療室を実現しています。
「ARTIS icono D-spin」は従来機と比べ画像処理能力が格段に上がり、カテーテルや動脈瘤用コイル、各種ステントなどの治療·診断器材の視認性が向上しています。また、三次元撮像時、正面・側面のCアームを同時可動することで撮影時間を大幅に短縮できます。さらには、高精細な3D画像を基に、ワークステーションで解析・計測、シミュレートが可能となり、これまで以上に質の高い安全な診療につなげることができます。
そして、X線照射を抑え、従来にも増して適正線量での透視や撮影が行えるため、患者さんの放射線被ばくを大幅に低減、放射線障害の発生も減少します。安全•利便性の高い治療室を設備し、医師・医療スタッフが協力することで、質の高い医療を提供してまいります。
さらに迅速・安全・高度な治療提供へ
当装置「ARTIS icono D-Spin」は、脳動脈瘤や頭蓋底血管奇形の治療で能力を発揮します。特に、「フローダイバーター」というステント(メッシュ状の筒)のみでの動脈瘤治療に活かしたく思っています。
フローダイバーターは、コイルによる周辺の神経を圧迫するリスクを回避することができるうえ、術中の破裂リスクを低減することもメリットと言えます。
大きな特徴
- 高精細な視認性・3D画像
- 優れたワークステーション(特に解析やシミュレートで)
- 被曝量低減
また、「時間との勝負」と言われる脳梗塞に対しても、代謝評価を併用しながら血栓回収療法を行います。脊椎外科では、正側リアルタイム透視下手技(椎体形成術や神経根ブロック)による高精度な治療が可能になります。当科では前年度(R4年度)、診断検査40件、脳血管内治療50件ほどを担ってまいりました。今回の導入を機に、より一層、迅速•安全・高度な医療を地域に提供すべく、医師・医療スタッフが一丸となって、努力してまいります。
医仁会 武田総合病院
副院長 脳卒中センタ-/脳神経外科 部長 川西 昌浩
脳卒中センタ-/脳血管内治療部 部長 山田 誠
掲載情報
ヘルスケアソリューションの情報発信誌「Future of Healthcare Vol.11」に当院の血管撮影装置「ARTIS icono D-spin」について掲載されました。