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2018年度研修医2年目 應儀先生へのインタビュー

本日は大阪医科大学をご卒業され当院で2年間の臨床研修を終えられ、令和2年度より当院にて内科専門研修中である應儀達徳先生にインタビューをお願いしたいと思います。


——應儀先生、当院での臨床研修を選んだ理由は何ですか。

もともと出身大学の先生も多いし、もともと市中病院で研修することを考えていたので、修了後に残れることも考えて当院での研修を選びました。

——見学に来た時の感想はどうでしたか。

まず、病院が古いとおもいまいた。しかし、ちょうど1年上の研修医の河合先生が脳神経内科を回っていて、主体的にやらせてもらえるのを見て、体を動かすことができる研修生活だと感じました。

——先生はなぜ脳神経内科を目指しているのですか。

単純に主に変性疾患、高次機能障害に興味があるからです。

——ところでおうぎ先生は当院には何回、見学に来られたのですか。

2回です。総合診療科1回と神経内科1回です。5年の12月に1回来て、2回目は6年の面接試験直前に神経内科に来ました。

——脳神経内科のローテーション中にはどのようなことを経験したのですか?

1年目と2年目で4週間ずつローテーションしましたが、1年目の時には主に細菌性髄膜炎を見させてもらい、ひたすら腰椎穿刺をしていたことをよく覚えています。2年目に回った時には、ひたすら脳梗塞を見て学んでいました。

——研修中に思い出に残る症例はありましたか。

総合診療科の時に見た感染性心内膜炎の症例ですが、熱源不明の感染症疑いで入院となり、経胸壁壁エコーで診断できたのですが、脱水症と頻脈性心房細動がありましたが、年齢がちょうど99歳11か月で、100歳まで後1ヵ月半頑張って生きてほしいと思い、治療にあたりました。心不全になりがちであり、βブロッカーの飲み薬、張り薬、点滴薬の使い分けや、抗生剤の選択などについて深く勉強することができました。

頑張ったことが実って100歳の誕生日を迎えることができたときには、心から嬉しく思いました。

——先生は、3年目から内科専門研修で当院に残ることになりましたが、研修医時代にどれくらいの症例を集めることができましたか。

J-OSLERでは160症例必要になりますが、いろいろと幅広い症例をいろんな科にわたってみることができ、ほぼほぼ全例経験することができました。ただし、初期研修からは80例しか専門研修に持っていけないため、80例は専門領域で集めることができると思っています。

——専門研修が始まってどのような症例を見ることができましたか。

それはもうCOVID-19の症例ですね。高齢の重症例の方で、治療方針も定まっていない中、いろいろな手段で調べながら主治医として治療にあたりました。ARDSだったので、体液管理が大変重要であり、研修医時代に学んだことを十分に生かすことができました。

肝硬変もあったのでトルバプタンやループ利尿薬を併用しつつ、ファビピラビルを投与するとほぼ同時にステロイドパルス療法を併用して治療にあたり、急速に改善させることができました。現在は退院にむけてリハビリをしていますが、COVID-19の感染隔離が終わった時には本当にうれしく思いました。

——他には、脳神経内科の症例ではどのような症例を経験しましたか。

自己免疫性脳炎による近時記憶障害の症例を受け持ちました。治療としてはステロイドパルスを行い、少しずつ改善傾向となっています。

——学会発表をした症例はありましたか。

総合診療科で多発血管炎性肉芽腫症の症例をたまたま1年目と2年目で1例ずつ受け持ち、1例目について2年目の春ごろに京都病院学会で学会報告をしました。

2例目を受け持った時には、高いCRPがあるにも関わらず抗菌薬が全く効果がなく、肺にすりガラス陰影を認めて、血尿と腎機能悪化があったことから、多発血管炎性肉芽腫症を疑って自分からPR3-ANCA検査を上級医に相談したころ、結果が陽性で診断治療に貢献できたと思います。肺炎や尿路感染症などのcommon disease以外にも、様々な疾患の治療にかかわることができたので貴重な経験が得られたと思います。

——手技はどの程度できましたか?

CVは2年間で30例近くはやっていると思います。ルンバールは2年間で10例はやっています。胸腔穿刺とドレナージは何回かやっています。CPA対応も数多く経験出来ましたので、今ではCV挿入と腰椎穿刺、CPA対応はしっかりできる自信があります。また、皮膚科で褥瘡処置を数多くさせていただいたり、外科でも皮膚縫合をしっかり教えていただきました。

——研修期間中の2年間で一番勉強になったのは何でしたか。

2年目の当直中の外来が一番勉強になったと思います。外来のファーストタッチは2年目研修医がするのですが、一人で初期対応するために、研修医の身分にもかかわらず責任感をもって診療にあたることは大変勉強になりました。それに内科の上級医の先生は相談しやすくて、画像読影が不勉強の時にも外科の先生にたくさん教えてもらいましたし、循環器や脳外科の先生はフットワークが軽く見に来てくれますので、安心感がありました。

また、1年目に救急車対応で緊急疾患の除外を勉強したうえで夜間の救急外来を対応することで、心の負担を少なく外来を見ることができました。救急車対応とwalk in対応と両方学べることを選んでおいてよかったと思いました。

——これから病院見学・就職活動を考えている学生さんらに、専門研修病院としての当院の魅力について教えていただけますか。

中規模の総合病院ながら、uncommonな症例をたくさん見ることができるのは大きな魅力です。J-OSLERの症例もしっかりと集めることができましたし、専攻医になってからも3年目の専攻医でありながらも、指導医の適切なアドバイスのもと、数多くの症例の主治医として症例経験を積むことができています。当院は中期病院で上級医がそろっていながら専攻医レベルの先生が比率として少なく、手技的な面で細かいところまで年の近い上級医の先生がいつもマンツーマンでしっかりと教えて下さるなど教育体制がしっかりしていると思います。

また、大学から来られる先生と一緒にカンファレンスを毎週しており、アカデミックな話題にいつも触れることができるなど、教育体制がしっかりしていると思います。

——本日は大変有難うございました。先生の今後のご活躍を心より期待しておりますね。

お困りごとはありませんか?