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2年目研修医 倉石先生へインタビュー

本日は当院で初期研修を2年間研修された倉石先生にお話を伺いたいと思います。


——倉石先生、先生が当院での初期研修を選んだ理由は何ですか。

もともとは、レジナビでたまたまお話を聞いて、総合診療科と救急に力を入れていること、研修医の人数が多すぎず少なすぎず、病院の規模からいい研修ができそうだと感じました。実際に病院見学に来て、外科や総合診療科の研修の先生が主体的・積極的に診療に携わっているところを見ていいなと思いました。

——見学の際、具体的にはどのようなエピソードがありましたか?

外科に関しては、いろいろな病院で見学をして、実際に手術を見せてもらったりしていたのですが、この病院は研修医の先生方が一番手術に参加していたことが魅力的でした。また、総合診療科では、研修医の先生方が症例を提示してカンファレンスをしているところを見て、主体的に研修ができると感じました。

また、カンファレンス以外でも総合診療科ローテート中の研修医の先生方が自分で考えて動いているところを見て、自分の思い描いていた研修医像として近かったことや、研修医の先生方から総合診療科はしんどいけど勉強になるよって言われたところがすごくいいなと思いました。

また、上の先生方も指導熱心な先生が多くて、コンサルトしやすそうなところもいいと思いました。

——なるほど。先生は外科になりたいという夢を学生の時からしっかりもっていらっしゃいましたからね。手術の手技が数多く学べることや、総合診療科で患者の症例発表や全身管理を日々研修医が主体的にしているところを見て、実践力が身につくと考えていただけたことは大変嬉しく思います。
ところで倉石先生は当院には何回、見学に来られたのですか。

普通の見学は2回で、大きな見学説明会には2回参加しました。

——普通の見学というのは平日随時可能な見学で、大きな見学説明会というのは春休み、夏休み、冬休みに病院全体で大々的に行っている病院見学説明会のことですね。
平日の見学でも午前・午後と2つまでの診療科が見学でき、夜は研修医2名とお食事をする機会がありますが、年3回の病院見学説明会では診療科見学やミニ救急症例検討会といったイベントのほかにも、プログラム責任者を始めとする数多くの指導医と研修医全員が参加しての懇親会もありますから、研修の雰囲気や研修医や指導医の人柄を知るには大変いい機会になりますね。
他の同期の先生はどの程度見学していましたか?

1回だけという先生も何人かいますし、4回来た先生も他にいますね。

——そうですね。当院の受験には見学回数の制限はありませんが、できれば何度か来ていただいて当院のことをよく知っていただけると嬉しいです。ですが、1回でも当院のことをすごく気に入っていただいて、受験していただける方は大歓迎です。
ところで倉石先生は、外科を専門として選ばれたのですがなぜですか?

もともと5年生のポリクリの時に、最初に回ったところが消化器外科でしたが、そのとき鈎(こう)引きしかさせてもらえなかったのにすごく楽しくて、絶対に外科医になろうと思ったのがきっかけです。外科医でないと人間の体の中が絶対に見れないですし、すごく楽しいと純粋に思いました。

——2年間の当院での臨床研修の経験で、外科医への夢はどのように変わりました?

外科医になりたいという気持ちは、この病院で研修していくうちに日に日に高まっていきました。1年目の4月から外科を回らせてもらいましたが、一番最初からラパロのカメラ持ちや縫合などをさせてもらいました。

また、顧問の加藤先生に2時間位糸結びや糸の送り方を教えていただいて、やれることがどんどん増えていくことがうれしかったです。また、その日にあるほとんどすべての手術に助手として入らせていただけて、とにかくやりたいことはやりたいだけやらせてもらえるところがうれしかったです。緊急手術の時には外科を回っていなくても声をかけていただいて、助手として入らせてもらえました。

——2年目で外科を回った時にはどうでしたか?

2年目になると、さらにやらせてもらえることが増えて、できる手技も増えてきました。たとえば筋膜を閉じるときには道具を出す手順が決まっているのですが、その手順までしっかり指導していただきました。1年目の1カ月に外科を回ったときよりも経験症例数ははるかに多かったと思います。

——どの程度の数の手術を経験したのですが?

専門医に必要な症例数のうち、消化器外科50例すべて、呼吸器外科は10例中7例程度、心臓血管外科20例中14例程度取得できました。小児外科は稀に来ますが、私は1例も入れていません。市中病院では小児外科はなかなか集まらないですね。

——なるほど。本当に数多くの症例を経験できたのですね。これまでも当院の外科での充実した研修に魅力を感じて回った研修医は数多くいますが、全員が専門医に必要な症例が殆ど集まったと聞いています。ちなみに現在は違うと思いますが、過去の外科医の子弟関係は論文で文化人類学的に考察されています。参考に読んでみるとおもしろいですよ。
当院では指導医も研修医も非常に親しい関係で、やる気さえあればどんどんやらせてもらえるところが嬉しいですね。それは、外科だけでなく、内科系でもマイナー科系でも変わりませんね。
それでは総合診療科での研修はどうですか?

私は外科系に進むと決めていたので、今しか内科のことを学ぶことがないと思っていました。そこで、内科のことは2年間でしっかりとできるようになりたいと考えて総合診療科に臨みました。実際に、方針を決めて治療するということに積極的に携わることができて、内科のやりがいや楽しさも感じることができました。

実際の患者さんの病気を治すことだけじゃなくて、退院には介護や福祉のことが大きく関わっていることがわかりましたし、この経験は外科医としても役立に立たせることができると思いました。

——仰るとおりですね。高齢化がどんどん進んでいますが、当院の総合診療科でも多くの患者さんの年齢は70代以降です。ご高齢の患者さんは感染症の罹患でベッド上安静となるだけでもADLが大きく低下します。また、そもそも感染症の発症の原因自体が栄養状態の悪化や嚥下機能の低下などに基づくことが多いですね。
しかも、独居生活や老々介護など自宅退院へのハードルが高い場合が多いですね。感染症や心機能、呼吸機能、腎機能などの治療を行うことは当然ですが、入院となったその日からできるだけ早くもとの環境に退院できるように退院調整の重要性を多くの症例で経験できますね。
先生は、総診ではどのような症例を経験しましたか。

私は不明熱と左側頭部痛で発症した巨細胞性動脈炎の症例をもたせていただいて、院外症例検討会での発表や学会発表もさせていただきました。また、腹膜癌の人ももたせていただいて、それは院内のCancer boardで話し合った機会があって記憶に残りました。

他にも伏見総合診療カンファレンスでノカルジア症の症例を発表させてもらったり、かなり発表の機会は多かったです。

——そうでしたね。先生とはいっぱい発表の予行練習をしましたね(笑)。先生は本番でも大変堂々と発表されるので、見ていてとても安心できました。ところで総合診療科での研修中は、どのような生活でしたか。

朝8時くらいに出勤して、17時半には仕事が終わっていて、そのあとは自分の勉強時間でした。休みの日は朝に患者さんの状態を見に来て、何もなければ後はフリーでしたので、十分な休息を取ることができました。

——なるほど。一番忙しい診療科でもしっかり自分の時間を取って勉強と休息が取れていましたね。睡眠時間はどのくらいでしたか。

普通に好きなことをしていたので、普段通り5-6時間でした。

——手技はどの程度できましたか?

CVは2年間で20例くらい、ルンバールは1年目に回った時に5-6例、胸腔ドレーン挿入は2年間で10例は超えていると思います。

——救急を回ってどれくらいのことができるようになったと思いますか。

上の先生が手いっぱいで来られないときでも、受診から診断・初期治療をして病棟に上げることくらいまでは一人でできる自信がつきました。外科でしたら、JATECのガイドラインにのっとって、対応できるようになりました。

——2年目の先生は皆さん一人で当直や急変対応ができるように立派に育っていると思います。では、最後にこれから病院見学・就職活動を考えている学生さんらに、研修病院選びのポイントについて何かアドバイスはありますか。

まず一つ目は、自分が将来進まないであろう科もバランスよく研修できる病院を選ぶことが大事だと思います。特に救急対応やWalk in対応なども含めて、自分の専門外のこともある程度できる病院を選ぶことだと思います。その上で自分のしたいこともしっかりできる病院だといっそういいと思います。

また、自分にとっていい雰囲気だなと感じた病院であれば、その雰囲気が好きな人が集まっていると思うので、自分が研修医となっても雰囲気は変わらないと思います。だから自分にとっていいと思える雰囲気は大事にすべきだと思います。

この病院に来て一番良かったと思うのは、同期や上司などの人とのつながりの面が多かったので、見学でそこまで見抜くのは大変だと思いますが、自分の直感を大事にしたらよいと思います。

——当院の研修医は本当に仲が良いですね。みなさんの研修修了旅行も大変楽しそうでした。本日は大変ありがとうございました。先生の今後のご活躍を心より期待しておりますね。




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