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2010年度後期研修医 小野先生へインタビュー

今回は、H22年からH24年まで当院で初期研修を受けられ、現在神経内科で後期研修をされている小野先生に当院での初期研修についてインタビューさせていただきたいと思います。


——先生は、初期研修を医仁会武田総合病院で受けられたのですが、病院を選んだきっかけはどのようなことだったのでしょうか。

僕は三重大学からきているのですが、初期研修医の時から神経内科医になるつもりで、内科で総合的にみれる病院で、脳卒中などの救急疾患がそれなりにあつまる病院で研修することを考えていました。地元の三重県ではそこまでできる病院は少ないのと、当院ほど神経内科がしっかりしている病院が少なかったので、京都に出てきました。

当院の神経内科は、市中病院にしては小島部長がいらっしゃるので筋電図や神経伝導検査などの神経生理検査の面が強く、脳波外来も京大の池田教授が来られていること、また駅前武田病院の秋口先生や京大名誉教授である柴崎先生の回診もあり、大学病院にも負けない教育体制が期待できたため、非常に魅力的でした。初期研修を終えても、当院で神経内科の研修をそのまま続けることがいいと思ったので、後期研修もさせてもらっています。

——先生は、後期研修のことまで考えて当院を初期研修に選ばれたのですね。非常に立派だと思います。当院は先生がご指摘の通り各科にて非常に専門的な研修が受けられるのが特徴ですね。実際に初期研修を終えて感想はどうですか。

全体的にどの科でも、指導医の先生とディスカッションをしながら、患者さんの管理を率先して関わらせていただけることが多かったことや、中心静脈カテーテル留置術などの処置を経験させてもらえることが多かったことなど、自由に選択できるローテーションの期間で皮膚の処置や褥瘡管理など、一般的な内科医が必要なこと以上に全身管理を経験できたのではないかと思います。

——なるほど。当院は初期研修のときから患者さんの全身管理を経験できますし、経験できる処置や症例の数や種類が多いこともメリットだと感じられたのですね。逆にここはもう少し改善してほしかったようなことはありましたか。

僕の場合には神経内科に専攻医(後期研修医)の先生がいたのでそれほど苦にはなりませんでしたが、科によっては若手の専攻医の先生が少なかったので、モデルケースのような若手の専攻医が少ないことはデメリットだと思いました。でも考え方を変えればその分、症例や処置などは経験を積みやすいことでもあるので考え方次第の気がします。

——そうですね。後期研修医として残っておられる先生や他院から後期研修医にこられている先生も当院には随分いらっしゃいますが、そのような先生がたまたまいない場合もありますね。そのときは、指導医の先生に直接指導が受けられて患者さんの治療や処置を数多く経験できるチャンスだとも言えそうです。ところで小野先生は、学会発表などはされましたか。

神経内科と耳鼻咽喉科で学会発表はさせてもらいました。当院は臨床分野では症例報告などしっかりできるサポート体制が整っており、論文作成などもを含めて学術的な面も市中病院にしてはしっかりしているという印象があります。

——確かに多くの研修医の先生方は、初期研修のときから各学会で御発表をされていますし、若手の優秀賞を頂いておられる先生も何名かいらっしゃいます。その面でも当院での研修指導体制は充実しているといえそうですね。当直はつらくなかったですか。

当直は1年目の時は5時間くらいは寝れたことはありますが、2年目は3時間の時や全く寝れないこともありました。しかし、当直の時ほど、自分が直接外来診療ができて臨床能力が試される場はないので、充実した研修だったと思います。

——当院での当直は1年目は全科当直ですが救急車のみの対応なので救急車が来なければ十分睡眠が取れることもありますね。私も内科当直医として当直をしていて、たまに救急車が1台も来ない晩は本当にラッキーとおもいます(笑)。
2年目になると救急車は内科系だけになるのですが、Walk inの外来患者さんの診療をするようになるので、患者さんの数は増えて睡眠時間が短いこともありますよね。当直開けの研修医の先生方のために、以前はあまりできていなかったのですが、今は総合診療科では当直明けはPHSを預けて午後は帰るということを積極的に指導しています。病棟からも好評でうまく実施できていますね。
他科でもそのような科が増えてきています。ところでその総合診療科での研修はどうでしたか。

重症患者が多かったので、ICU管理を含めてかなり関わることができました。常に動きながら何か考えているような状態でした。おかげで腎不全や透析、人工呼吸器管理も普通にできるような自信はつきました。当院は臨床工学技師の方々が特に優秀なので、その面でも仕事がしやすかったです。

——確かに当院の臨床工学技師さんは優秀ですよね。皆さん勉強熱心なので、いろいろとディスカッションしたり教えてもらうことも多いですね。総合診療科での研修中の1日はどういうスケジュールで仕事をされていましたか。

7時頃に病院にきて朝食をとりながら担当患者のカルテ回診、夜間に内科救急で入院になった患者の確認をして8時前には病棟対応を始めていました。午前中に新患の対応と採血結果など確認し、午後には病状説明やIVH確保などの処置などをしながら夕方になるという感じでした。

日中も3回くらいは患者さんの状態を診て、特に重症患者もなく、うまく空き時間がでれば調べ物などをしてましたがいろんな科の先生に直接聞いて教えてもらっていることのほうが多かったです。

夕方に新患がなければ19時か20時には仕事はだいたい終えていたので、一日気になったことを最後調べたりして21時くらいには帰ってました。 また、朝や夜の時間帯は当直帯に受診している面白い症例を研修医が集まってみんなで話し合ったりして、自分の受け持ち外の患者さんもいろいろチェックしていました。

——なかなか充実されていますね。週末や余暇はどれくらいありましたか。

重症患者さんがいなければ、日曜日や休日は少し病院にきて患者を確認する以外は、自由な時間も多かったです。

——患者さんの様態にもよりますが、基本的には1度病院に見に来るだけということですね。当院での初期研修について迷っておられる学生さんに何か、アドバイスなどはありますか。

やる気があればかなりのことが経験できる病院ですので、ぜひ、見学にきてください。

——当院では面倒見のよい指導医の先生や研修医の先生がたくさんおられますので、見学に来て実際に見ていただけると一番いいですね。本日は本当にありがとうございました。

お困りごとはありませんか?