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2年目初期研修医 灘濱先生と横山先生にインタビュー

本日は当院で現在、2年目の初期研修中の灘濱先生と横山先生にインタビューをさせていただこうと思います。


——まずは灘濱先生、当院を初期研修として選んだ理由やきっかけを教えていただけますか。

灘濱Dr:僕は岡山大学出身で、当院のことはレジナビなどで知っていました。5年生の3月の時に見学に来て、最初は当院の外観を見たときは驚きましたが、研修医同士が仲が良く、研修医が積極的に医療に携わっていたことを感じたので当院の研修を希望しました。

——横山先生はどうでしたか。

横山Dr:私は京都で研修したいというよこしまな気持ちがあり(笑)、レジナビで当院のことを知って見学に来ました。見学したところ、研修医が病棟や救急室でいろいろと積極的にしっかり対応しているのをみていいなとおもいました。また、自分も私学なので、学閥とかは大丈夫なのか相談したところ、当院はそういう人ばっかりで大学や出身地の影響が全くないと聞いたので選びました。

——ありがとうございます。確かに当院は研修医の先生が病棟でも救急室でも主体的に治療を行なっていますね。私はいつも指導医の立場で立っていますが、1年目の春には何も出来なかった研修医が2年目になると本当に立派に対応されるのを見て感心しています。実際に当院に働いてみてその感想はどうでしたか。

灘濱Dr:他科の先生もいろいろと指導してくださるし、コメディカルの方も非常に優秀なのでびっくりしました。

——回っている科に関係なく、いろんな科の先生が研修医が持たれている患者さんを気にして声を良くかけてくれますよね。横山先生は、どうですか。

横山Dr:灘濱先生も言っているように、研修医も16人しかいないし、上の科の先生にすぐ名前を憶えてもらえるし、他科の先生にもすぐにいろいろと教えてもらえるなど、連携がしやすいことが非常にメリットだと思います。コメディカルの人も非常に優秀ですし、いろいろ教えてもらえるのもいいとおもいました。

——コメディカルさんの優秀さには他の色んな病院を回ってきた私も本当にビックリしました。先生方はどんなことを教えてもらいました?

横山Dr:人工呼吸器や透析やエコー、栄養管理なども電話してすぐ聞くことがおおいですね。

灘濱Dr:ICUに入院していると特に多いですね。

横山Dr:薬剤師さんにも抗菌薬の投与量とかを計算してすぐに教えてもらえるのもいいと思います。

——そうですね。自分でまず調べてみて、分からなかったら気軽に教えてもらえるところがいいですね。私が回ってきた病院では、臨床工学技師さんが呼吸器の設定の調整を提案してくれたりとか、薬剤師さんに気軽に至適投与量について相談できることなんてなかったですよ(笑)。常に顔の見える関係だし、電話一本で飛んできてくれたりしますから、コメディカルの皆さんは本当に頼りになりますね。
ところで灘濱先生、今、総合診療科に回っていらっしゃいますが、総合診療科での研修医生活はどのようなものですか。

灘濱Dr:僕は8時過ぎ位に来て、病棟にすぐ上がって患者さんをまず見るようにしています。その後は診察したり、IVH・PICC挿入などの手技や病状説明、カンファレンスや勉強会などがあり、夜は患者さんが落ち着いていれば19時半ごろに帰るようにしています。ただ急変とかあると22時になることもありました。1年目の時は余裕があまりなかったのですが、2年目になると余裕も出てきて、1年目の研修医の指導に時間を多く使うようになりました。

横山Dr:私は今、放射線科なので、病院に来るのは8時半ごろで、午前中はエコーをしたり、読影をしたりしています。放射線科はベッドフリーなので、午後はだいたいバリウム造影や、エコーガイド下生検、血管造影やシャントの拡張術や副腎静脈サンプリングなどを補佐したりしています。

——放射線科では初期研修の先生はどのような研修をさせてもらえるのですか。

横山Dr:血管造影は最初の穿刺で後は基本的には見学のことが多いのですが、エコーや読影は自分でやって上の先生がチェックするという形になります。

——なるほど。エコーや読影の勉強は大変役に立ちますね。先生方が当直をしていると、一人でエコーをしたりCTを読まなければいけない場面が必ずありますが、当院の研修医の先生方は非常に高い精度でCTの読影が出来ていると思いますよ。私が初期研修医のときは虫垂炎みたいな小さな腸管病変なんて満足に読めませんでしたから(笑)。
ところで当院では手技も多数できると言われていますが、先生方はこれまでの1年8か月ほどの研修でどの程度の手技を経験されましたか。

灘濱Dr:僕は、CV確保は30-40例はやっていると思います。PICCは5件程度で少なかったです。挿管は麻酔科以外で10例ほどは入れています。麻酔科では1日1-3件ほど挿管があり、5週間まわっています。胸水穿刺は10-20例ほど、A-line確保はしょっちゅうやっているのでわかりませんが、麻酔科以外で40-50例はやっていると思います。逆に腰椎穿刺は1回くらいしかありません。

横山Dr:私は、CV確保は10-20件はしています。PICCも10-20件はしています。挿管は麻酔科以外では10件以下だとおもいますが、麻酔科は最初だったので8週間まわりまして80件ほどやっているとおもいます。胸水穿刺は10件弱ほど、A-lineも麻酔科以外ではそれほど多くはないです。腰椎穿刺は3-4回程度だと思います。

——なるほど。当院では相当な数の手技を経験できますね。また、経験できる症例としては、どのような症例が多いですか。また、珍しい症例や重症例はどのようなものがありましたか。

灘濱Dr:多い症例でいえば、誤嚥性肺炎や尿路感染症が多いですが、心筋梗塞や脳梗塞、うっ血性心不全などもかなり経験できました。ほかにも敗血症性肺塞栓症の重症例や感染性心内膜炎の症例、SMA塞栓症、NOMI、メトグルコの乳酸アシドーシス、糖尿病性ケトアシドーシス、原発性アルドステロン症、たこつぼ心筋症なども経験しました。

横山Dr:私もだいたい似たような感じですが、近位尿細管アシドーシスの症例や急性腎不全で緊急透析をまわした症例も経験しましたし、私は夏に総合診療科をまわっていたことが原因と思いますが、低Na血症や低K血症などの電解質異常はたくさん持っていると思います。

——回った時期によりどうしてもばらつきはありますね。症例経験数はどの程度ありますか。

灘濱Dr:みんな同じ程度かとおもいますが、入院患者さんだけでこれまでに150-200例ほどは担当していると思います。

——具体的な数字はよくわからないとのことですが、夜間外来や救急患者さんも多数見ていますから、退院までにかなり数を経験できそうですね。休日はどうしていますか。

灘濱Dr:患者さんの状態にもよりますが、1時間程度で帰ることもあれば、状態が悪ければ半日程度いることもありました。

横山Dr:私も一緒です。

——みなさん、大体似たような感じでしょうか。研修医室はどうですか。

横山Dr:上の先生と別になっているのは正直、ありがたいです(笑)。研修医同士の情報交換の場にもなっています。

灘濱Dr:上の先生と別なので、リラックスできるというのもありますし、自分の席や棚もありますし、PCもあってプリンターも使えて、ネットも自由に接続できて自習の勉強もしやすいです。

横山Dr:でっかいロッカーも使えますので、面積だけでいえば、上の先生よりもたくさんあると思います(笑)。

——おぉ、そういわれてみればそうですね。ロッカーもかなり大きいですね。うらやましい(笑)。学会発表などはされましたか。

灘濱Dr:1年目の時は、日本循環器学会に参加しただけでしたが、今年は3回ほど学会発表をさせていただきました。京都医学界と日本循環器学会近畿地方会、日本内科学会の近畿地方会の1回ずつです。日本循環器学会地方会では、優秀賞を受賞しました。

横山Dr:私は、去年は麻酔科学会にでました。今年は、日本鼻科学会に参加して口頭で発表しました。すごい緊張しましたが(笑)。

——頑張っていますね。何か資格はとれましたか。

灘濱Dr:BLS、ACLS、ACLS-EP、ICLS、ISLS、BDLS、FCCS、PALSをとりました。

横山Dr:私はICLSしかもっていないです。BLSとACLS位は行こうと思っています(笑)。

——灘濱先生は私よりたくさんの資格をとっていますね(笑)。当直はどうですか。特に横山先生、女医さんとして当直はどうですか。

横山Dr:体力は基本的にいると思いますね。毎回、すべてがそういうわけではないですが、3-4時間前後の睡眠が平均的です。

灘濱Dr:だいたいそんな感じですね。11月からですが、直明けは午前中だけ仕事をして、午後からは帰らせてもらっています。

横山Dr:おぉ、そうなんですか。

——11月からそういう風にしてるんです(笑)。横山先生のときはできていなかったのでごめんなさいね。少しずつ、他科でも拡がっていると思いますよ。最後に当院での研修を考えている学生さんに何かアドバイスはありますか。

灘濱Dr:救急症例もたくさん見れて、たくさん病棟でも研修できるので、体とかをしっかり動かしたい人にはお勧めですね。

横山Dr:Opeにしても検査にしても、自分がやりたいと言っていれば、いろいろやらしてもらえるので、積極性を出せばいろいろさせてもらえてやる気を無駄にはさせないところだと思います。

——おっしゃるとおりだと思います。学生さんには是非一度見学に来て、研修医の先生方の仕事振りを見て頂ければうれしいです。本日はどうもありがとうございました。

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