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2019年度研修医2年目 佐々木先生へのインタビュー

本日は京都府立医科大学をご卒業され当院で臨床研修を履修されました佐々木圭先生に、2年間の研修を振り返って頂いてインタビューをお願いしたいと思います。


——まずは、佐々木先生、先生が当院での臨床研修を選んだ理由は何ですか。

一つは、救急と総合診療科が8週間と長かったので、初期研修の時期にプライマリケアとして重要な部分をしっかり学びたいと思ったことです。もう一つは、大学などの医局の関係のない京都市内の研修病院で働きたいと思ったからです。

——大学から離れてみたいと思ったのはなぜですか。

学生時代からずっと府立医大だったのですが、大学の医局に入ることとか、関連病院を進められることが多かったので、逆に大学と全く関係のない職場で働こうと思ったからです。

——なるほど。先生は専攻医としてまた府立医大の呼吸器内科に進まれましたので、研修期間中は一度、離れてみたかったということですね。先生が当院に見学に来た時の感想はどうでしたか。

コロナ前だったので、見学後に研修医の先生お二人と飲みに連れて行ってもらえたのがよかったです。ほかの病院は指導医の先生が一緒についていくことが多かったのですが、研修医だけでのみに行けたのは、私の見学先では当院だけでした。また、5回生の冬季と6回生の時の夏季病院見学説明会に参加したときには、多くの部長の先生方とお話ができたこともよかったと思いました。

——なるほど。当院は見学学生さんに研修医と一緒に過ごす時間をできるだけ多くしていただこうと思っていますので、評価していただいてうれしいです。また、年3回の春季・夏季・冬季病院見学説明会では主に指導医の先生方と多くお話しできる場を提供していますからね。ところで、佐々木先生は当院には当院を受験される前に何回、見学に来られたのですか。

4回です。

——それはかなり多く来られましたね。私としては非常に嬉しいです。ところで先生が呼吸器内科を志望すると決めたのはいつ頃でしたか。

研修初期から呼吸器内科と脳神経内科で迷っていたのですが、1年目の最後頃に呼吸器内科と決めました。

——呼吸器内科を選んだ理由は何ですか。

ある程度、手技ができる内科がよかったことと、肺癌やCOPDなどの症例が多く、需要が高いことと、呼吸器内科の専門医が非常に少ないと聞いていたので、自分が専門医になって働きたいと思いました。

——大変、立派なお考えですね。呼吸器内科のローテーションはどのような症例を経験できましたか。

肺癌が多かったですが、活動性結核や非定型抗酸菌症(MAC)なども経験出来ました。また、総合診療科に回った時に呼吸器内科と併診で受け持ったのですが、抗MDA5抗体陽性間質性肺炎の症例を受け持てたことが、非常に大きな経験になりました。

——私も入院当初にCT画像を拝見していましたが、あの症例は5月頃の新型コロナ感染症の流行初期に入院となり、COVID-19肺炎と初期の肺炎像が非常によく似ていて、抗MDA5抗体陽性間質性肺炎との診断に苦慮した例でしたね。同様の症例はその後、学会でも多く報告されていましたよ。

そうですね。1カ月以上、人工呼吸器を使った集中治療をしていました。ステロイドパルス、エンドキサン、タクロリムス、JAK阻害薬、血漿交換療法など、かなり強力な免疫抑制療法を組み合わせて治療しましたが、結局救命できませんでした。

——大変残念でしたね。その症例には先生はどのようにかかわっていましたか。

研修医2年目として受け持ちましたが、院長先生が膠原病の専門医なので、院長先生と相談しながら治療法を指導医と相談して考えたり、呼吸管理や輸液の選択、下痢の対応を行ったりなど、指導医と相談しながら積極的に治療に携わることができました。

——それは大変良い経験でしたね。他に研修中に思い出に残る症例はありましたか。

1年目の最初の頃に総合診療科で経験した症例ですが、看取りの患者さんを引き継いだ時に、最初は看取りの対応が分からず、食事を再開しようとしたりしていたのですが、主治医の先生と一緒に再度、病状説明にはいってから、なんでも救命をすることだけが医療ではなく、家族さんの気持ちに寄り添って治療を行うことも大事なんだということが非常に心に残って勉強になりました。

——それはよい経験をしましたね。総合診療科では、ADLや様々な社会生活環境を考慮して地域へ帰す退院調整を行うことや、看取りを行う症例を多くみることができるのも研修医として大事な経験になると思います。
ところで、先生は、3年目から内科専門研修に進むことになりましたが、研修医時代にどれくらいの症例を集めることができましたか。

J-OSLER(注:内科専門研修で利用する症例登録システム)では160症例の登録が必要になりますが、症例数としては2年間で内科系は140例ほどは持たせていただいて、そのうち、70-80例はJ-OSLERに登録できる症例が集まったと思います(注:初期研修の症例として半数の80例を登録可能)。

呼吸器内科なので、呼吸器内科、膠原病、感染症、後期高齢者の症例は専門研修でも経験できるのですが、それ以外の消化器内科や循環器内科、腎臓内科、糖尿病、内分泌科、血液内科などの症例を初期研修に集めたいと考えていました。その結果、2年間で消化器内科と血液内科はほぼすべて集まりましたし、あとは循環器内科で2-3例、腎臓内科は2例程度、内分泌内科で1例程度不足している他は、ほとんど集めることが出来ました。

——先生は呼吸器内科を2年目に回りながらも、他の内科系疾患を十分に集めることができたのはよかったですね。3年目からは安心して呼吸器内科の専門研修を続けながら、残りの症例を集めることができそうですね。
2年間の研修中は大変忙しかったのかと思いますが、プライベートと研修の両立はできていましたか。

両立はできていたと思います。僕はピアノが趣味なので、週4-5日、1日1.5時間程度は練習ができていました。

——それはすごいですね。睡眠時間はとれていましたか。

6-7時間は眠れていました。

——食事はどうしていましたか。

自炊していました。六地蔵のFrescoで買い物をして、帰ってから作っていました。2年間、外食はほぼしていないと思います。

——それは素晴らしいです。私も見習いたいです。ほんと、感動的です(笑)。
ところで、2年目の研修中はかなり新型コロナウイルス感染症で影響を受けたと思いますが、研修で影響を感じたことはありますか。

2年目の時は、患者さんがすごく減ったのがいいのか、悪いのか、影響を受けたと思います。当直は以前なら一晩で10人-15人程度は来ていたと思いますが、COVID-19流行してからは、平均一晩で4-5人程度でしたね。発熱は別の診察室で上の先生が見ることもありましたし、かなり少なかったと思います。一晩、5時間程度は眠れていましたし、徹夜ということはほとんどありませんでした。

——発熱患者の対応は経験出来ましたか。

診ることはできました。ただ、例年に比べたら少なかったかなと思います。

——発熱の救急対応はしっかりできていましたか。

僕は2年目の8月に救急科をローテートしていたので、普通にかなり見ていたと思います。

——少し症例が少なくなったということですが、3年目から内科当直をする自信はつきましたか。

怖いのは怖いですよね。でも、いろいろな診療科と相談しながら対応することは研修できたと思います。

——そうですね。当直は独りよがりにならずに、周りの先生やスタッフに相談しながら対応することが何よりも大切です。

最後にこれから病院見学・就職活動を考えている学生さんらに、当院の魅力について教えていただけますか。

医仁会武田総合病院の研修医としては、積極的に研修をする人が求められていると思います。自分でやろうと思えばどこまでもさせてくれますし、総合診療科も研修医にしっかり考えさせてくれました。お陰様で任せられるという責任感を感じながら、多くを学ぶことができました。

また、コロナウイルス感染症流行前はかなり数が多く見れましたので、症例経験もかなり多く得られる病院というのもメリットです。また、仕事が終わったら全然帰って良い雰囲気で、その意味でOn-Offがしっかりつけられるのがとても良かったと思います。

また、コメディカルの方がかなりやっていただけるし、いろいろ相談に乗ってもらえて、すごく頼りになるのも当院の魅力だと思います。

——本日は大変有難うございました。先生の今後のご活躍を心より期待しておりますね。

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