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2年目研修医 相原先生へのインタビュー

本日は香川大学をご卒業され当院で2年間の臨床研修を終えられ、令和4年度より京都大学医学部付属病院で麻酔科にご就職予定の相原先生にインタビューをお願いしたいと思います。


——相原先生、当院を臨床研修先に選んだ理由は何ですか。

関西地方は医局の影響が強く出る地域だと思っていたのですが、今後専門医を目指すにあたって初期研修中にいろいろな医局を見て回りたいと思っていました。そこで、進路の縛られない研修病院を選びたいと思って当院を研修先に選びました。

——なるほど。見学に来た時の感想はどうでしたか。

院内の先生方の雰囲気がすごくよかったのと、各科の先生が垣根なく過ごされているのがよかったです。また、初期研修医の先生方が本当に何から何まで自分でされているのを見て、自分もそのような環境で研修ができたらいいなと思いました。

——ありがとうございます。ところで相原先生は当院には何回、見学に来られたのですか。

2回です。6年目の春に総診と脳神経内科を見学に来て、夏の説明会の時に総診と救急を見学しました。

——2回来てくれたのはうれしく思います。ところで、先生が麻酔科を目指そうと思った理由は何でしたか。

自分の性格の向き・不向きを考えてというのもありますが、麻酔科の先生に一から十まで全部教えていただいて、もともと生理学などは興味はあるもののかなり苦手意識があったのですが、生理学の大事さや分かった時の面白さを教えていただいて、1年目の終わりごろから麻酔科を目指そうと思いました。

——麻酔科は私も臨床の現場で生理学の知識が役に立つことを感じて、私も一時憧れた診療科ですね。研修中に思い出に残る症例はありましたか。

麻酔科では、自分が直接最初から担当した症例ではなかったのですが、CD腸炎で大腸全摘になっている方の全身麻酔を途中から引き継いで経験しました。CD腸炎というと、普段は内科ではメトロニダゾールを投与してよくなっており、感染対策が大変だなくらいしか考えていなかったのですが、その症例は大腸の粘膜壊死を起こしているためにその部分から体液喪失が著しく、ポンピングをしながら大量輸液をしつつ昇圧剤を高容量で投与しているのに血圧がなかなか保てませんでした。

麻酔科の指導医と相談しながら対応し、途中で周りの先生にもポンピングを手伝ってもらうような状況で、なんとか手術を終えることできました。この症例を経験して、循環管理は本で読んで知識としてはあることでも、いざ自分で対応しようとするとパニックになってなかなかできないこともあるということを感じ、勉強のモチベーションにすごくなりました。

——それは大変な症例を経験できましたね。他に、学会発表をした症例はありましたか。

麻酔科の地方会で、症例を発表させていただきました。コロナ中でオンライン発表のため、スライドの投稿とチャットでの質疑応答になっており、いわゆる通常の学会発表とは違っていたとは思います。

内容は、100歳代の超高齢で術後せん妄を起こすリスクが極めて高い患者さんの麻酔管理を経験し、高齢者の術後せん妄を起こさないような麻酔管理について、症例経験を発表するというものでした。初めての発表だったので、指導医の先生にはかなり何度も添削をしていただいたのですが、最終的にはしっかりと発表に至ることができました。

——当院ではすべての研修医に学会発表を最低一度はしてもらっていますが、学会発表できちんと症例をまとめて発表できる機会は大事ですね。
研修期間中の2年間で一番勉強になったのは何でしたか。

学ぶことが全て初めてだったので、何をやってもすべて勉強になったと感じています。本当に一番最初の時は、カルテの使い方やオーダーリングの仕方から分からないことだらけで、しかも分からないときに誰に聞いたらいいかもわからず、2年目の先生方や指導医の先生方に何度も教えていただきました。

こうして実際に病棟の患者さんを持たせていただくことで、日々実際に直面する様々な問題を解決していくことを学びました。特に総合診療科は、患者さんに対しての研修医の自由度が一番高かったので、いろんなことを経験させてもらえてとても勉強になったと感じています。

——確かに始めて研修を始めた時は、国家試験の知識では対応できず、殆ど何もわからないことから始まりますからね。それが先生も2年間で最後に総合診療科を回っていただいていますが、患者さんの病状を把握して方針を指導医に提案してきちんと実行していただけるようになり、本当に立派に成長されたと感じています。
ところで、臨床研修以外で楽しかったことや、思い出に残ったことはありますか。

コロナで自粛続きでしたのでいわゆる遊びに行ったりとかは無かったのですが、割とその分研修医室で雑談して残っていたりとか、いろいろと学ぶことが多かったと感じています。研修医の先生方の雰囲気の良さや、みんなで勉強しようというよい雰囲気で2年間の研修ができて、普通に楽しい研修生活を送れたなと思っています。

——研修生活にとって、研修医の先生方が仲良くされることが一番大事だと私も思っています。これから病院見学・就職活動を考えている学生さんらに、研修病院としての当院の魅力について教えていただけますか。

かなりいろんなことを上の先生から直接教えてもらえました。その科の先生だけでなくて、違う科の先生からも、その科の視点からいろいろと教えてもらうことができました。科同士の垣根がかなり低いので、いろいろな科の先生に相談がしやすい雰囲気なのが医仁会武田総合病院の魅力だと思います。

また、上のスタッフや研修医もかなり雰囲気が良かったので、ストレスなく研修ができるのも魅力だと思います。やりたいといったことは、だいたい間違いなくやらせてもらえるのもよい点だと思います。

——ありがとうございます。先生と同じように、将来の専門とする診療科や研修病院の決め方にも迷っている医学生さんに、何かアドバイスを頂けますか。

私の場合は、学生のときは漠然と内科系なのかなと思っていて、マイナー科や麻酔科も全く興味はありませんでした。ところが実際に回ってみたら、思った以上に外科や麻酔科も楽しかったので、麻酔科に進むという道を選ぶことが出来ました。研修先を選ぶにあたっては、診療科が偏っておらず、いろんな科が回れる当院のような研修病院を選ぶと思います。

また、内科以外の科に進むとしても、手術は患者さんの流れの中の一つの出来事なので、全体をつかむという意味で内科がしっかりと研修できる病院を選ぶとよいと思います。その意味でも当院はお勧めの研修先だと思います。

——本日は大変有難うございました。先生の今後のご活躍を心より期待しておりますね。

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