松井 美萌
- 部長
当科は、患者さんの訴えを大切にした、皮膚症状の改善を目標としています。
1日平均外来患者数 | 56.1名 |
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1日平均入院患者数 | 3.1名(帯状疱疹、蜂窩織炎、薬疹、褥瘡、重症アトピー性皮膚炎など) |
当科での症例に関して今後の医療に役に立つものと考えられた場合には個人情報を管理したうえで、京滋地方会、日本皮膚科学会中部支部大会などで発表を行っております。また院内カンファレンス、地域の皮膚科医師との症例検討会などにも定期的に参加しています。
当院は、皮膚科専門医研修施設であり、今まで多くの医師が研修され専門医試験に合格されています。
初期研修医や京都大学医学部学生実習も受け入れており、患者さんの皮膚の診察や処置の実際を学んでいただいております。
形成外科と協力して、外科的治療やOPE、カンファレンスでのディスカッションを行い、診療の充実を図っています。
当科では、外来、入院患者さんのニーズに合った診療をさせていただけるよう、皮膚科スタッフはもとより、多くの専門医、多職種のスタッフのチームでの医療を行っております。今後も、専門性を高めながら多くの患者さんのお役に立てる医療が提供できるよう、一層の努力をしていく所存でございます。
2015年3月より、アトピー性皮膚炎の患者さんや自分の皮膚のコンデションについての相談などをゆっくり伺えるようにアトピー・スキンケア外来を開設しております。
アトピー性皮膚炎に関して、一般的な治療や疾患についての解説、合併症や日々の注意点などを説明しながら診療致します。乳幼児の患者さんでは、保護者の方に知っていただくことが重要になります。小、中学生以上の方では、自分で疾患につき理解しケアも出来るようにと考えております。
毎月、第一水曜日の午後1時半から実施しております。完全予約診療となります。
アトピー性皮膚炎は、病態の解明が日進月歩です。症状としては、痒みのある湿疹が慢性の経過を取ることが特徴で、皮膚症状は左右対称に(例えば、腕であれば右腕にも左腕にも出現)、繰り返し出現します。患者さんの多くはアトピー素因(ご自身や家族に喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎を有する)を持つことが多いです。現在、多くの新規薬剤が開発され使用できるようになりました。
内服薬(抗ヒスタミン薬)や、外用剤(ステロイド外用、タクロリムス外用)、保湿剤といった従来の治療に加えて、生物学的製剤(注射で掻痒や皮膚の炎症の原因物質を抑制)、JAK阻害薬という細胞伝達の根本となる箇所をブロックする内服薬や外用剤、PDE4阻害の外用剤などです。乳児期から使用できるものもあります。(使用前に検査が必要なものもあります)
治療の選択枝が広がったことで、多くの患者様が快適な日常生活を送ることができるようになってきました。
アトピー性皮膚炎も、症状をそのままにしていると皮膚に小さな傷ができ、そこから細菌やウイルスが侵入し重篤な感染症を引き起こすことがあります。顔面や目の周りなどの皮膚の薄い箇所を強く掻破すると、皮膚だけでなく眼の合併症を来すこともあります(白内障や緑内障、網膜剥離など)
皮膚の炎症を抑えることで、そのようなリスクを減らすことができます。また睡眠や仕事・学業に集中できるようになることも、とても重要です。
これからも患者様と、より的確な治療ができるように努めてまいります。
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