北村 亮治
- 主任部長
末梢動脈疾患とは、下肢や腕などの血管が狭くなり、血液が正常に流れなくなる病気の総称です。病状が悪化して治療となれば、心臓血管外科、内科、皮膚科、リハビリテーション科などの多職種での診療が必要となります。
当外来は、末梢動脈疾患の診断や治療に特化しており、チーム医療で診療科にあたっています。
末梢動脈疾患は、歩行障害や痛み、安静時のしびれや冷感、更には潰瘍、切断などの重大な合併症を引き起こすことがあります。高齢化、生活習慣病の増加、喫煙、糖尿病などの生活習慣による影響が大きく、患者数も増加しています。このため、早期の診断と治療が非常に重要です。
外来では、まず診察を行い、検査や画像診断などを用いて病態を評価します。その後、症状の程度や進行度合い、患者さんの年齢や合併症の有無などを考慮しながら、治療方法を選択します。
詳細な診察 | 血圧、脈拍、血管音、皮膚温度、脈波などを調べ、患者さんの症状や状態を詳細に把握します。 |
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CT検査 | 動脈硬化症の進行度合いや詳細な患部の位置・形状を確認するために、造影剤を注入して撮影する検査です。 |
超音波検査 | 血管の内部構造や血流状況を詳しく調べる検査で、痛みやリスクが少なく非侵襲的で簡便です。 |
ABI(足関節上腕血圧比) | 足首と上腕の血圧の比のことで、動脈の狭窄や閉塞を評価する指標です。この検査は非侵襲的な検査で数値として評価できるので、末梢動脈疾患の早期発見に有用です。 |
SPP(皮膚灌流圧) | 皮膚の表面の小さな血管の中の血液の流れを見る検査です。皮膚のレベルの灌流圧を意味し、皮膚のレベルの微小循環の指標を示しています。 |
血管内治療
血管内にカテーテルを挿入して、狭くなった血管を拡げる治療法です。特殊な薬剤を塗布したバルーンやステントと呼ばれる金属製のチューブを留置することで、血流を回復させます。手術療法に比べてリスクが低く、入院期間も短く済みます。
手術療法
重症の末梢動脈疾患の場合には、手術療法が必要になることがあります。具体的には末梢動脈バイパス移植術や動脈形成術などが行われます。
外来では、まず診察を行い、検査や画像診断などを用いて病態を評価します。その後、症状の程度や進行度合い、患者さんの年齢や合併症の有無などを考慮しながら、治療方法を選択します。
患者さんと家族の方に対して、病気の理解や心理的なサポートも行いながら、多職種と連携しながら治療後の経過観察やリハビリテーションも行います。 看護師が定期的にフットケア外来を行い、再発予防の指導を行っております。
在宅での創傷ケアは訪問看護師に対応して頂く場合もあります。
患者さんにとって最適な治療法を提供し、生活習慣の改善や食事療法、禁煙指導も行うことで患者のQOL(生活の質)を向上させることを目的としています。
このように、複数の病院を行き来することなく、傷の処置からリハビリ、退院後についての相談までも当院でできる環境を整えています。維持透析を受けられている患者さんは入院中、当院で透析対応いたします。
何かありましたらいつでもご相談下さい。
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