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救急外来

075-572-6331

急患は24時間受付(内科・外科・循環器内科・脳神経外科・小児科・産婦人科のみ)

診療科・部門

循環器内科

概要

心臓疾患以外に手足の血管や腎動脈・鎖骨下動脈など全身の血管疾患、またそれらの原因となる高血圧症や脂質異常症など生活習慣病の管理も含めて行うのが循環器内科です。

外来診療表

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診療方針

京都市南東部の基幹病院として、この地域の患者に最新の診断法と治療技術を駆使した医療サービスを提供すると同時に「おもいやり」のある医療の実践を目標にしています。

当診療科では、下記事業に参加しています。詳しくは、以下をクリックして下さい。

診療体制

当院では24時間常に循環器内科医が院内に常駐する体制をとっており、不整脈科、心臓血管外科との連携の下に、救急疾患の多い循環器疾患に対していつでも対応可能な診療体制となっております。また、急性期より患者さんの病気への理解を深め、生活習慣の改善のための教育に力を入れています。

モットーは「患者さんにとって最良の治療法」です。そのためには疾患のみに注視するのではなく患者さんの社会的な背景も考慮し、各種カンファレンスで治療方針を決定、患者及び家族に十分に説明した上で治療を決めるように心掛けています。

カンファレンス

当科では毎朝カンファレンスを行い、重症例や新規入院患者情報の共有を行うことでチーム医療を実践しております。またカンファレンスではカテーテル治療前の検討も行っており、循環器内科のスタッフ同士、普段から上下を問わない活発な意見交換を行い、一体感を持って診療に向き合っています。

毎週水曜日夕方には心臓血管外科との合同カンファレンスを行い、常に患者さんの情報を共有しています。手術が必要な心血管疾患については合同カンファレンスによるチーム医療体制で治療方針を決定し、必要に応じていつでも十分な対応が出来るようにシステム化されています。

週に一回心臓リハビリカンファレンスを行っており、看護師・理学療法士などを含めた多職種でのカンファレンスで包括的に心不全患者さんの治療を行っています。

地域医療連携

地域の医療施設との連携を図るため、定期的に心臓病病診連携勉強会を企画、開催しています。近医からの紹介があれば、当院での検査結果を直ちに返事するように心掛けています。急性期の対応を迅速に対応すること心がけているため、状態が安定すれば積極的な逆紹介を推進しております。

診療実績

令和4年4月~令和5年3月

心臓エコー検査 6,956件
血管エコー(頚部除く) 2,149件
トレッドミル(運動負荷心電図) 188件
ABI 1,478件
SPP 166件
ECG 17,316件
冠動脈CT検査 597件
心臓カテーテル検査 468件
冠動脈インターベンション 234件
末梢血管形成術 86件
カテーテルアブレーション 56件
ペースメーカー埋込み 55件

特色

虚血性心疾患の診断・治療について

冠動脈CT

虚血性心疾患は生活習慣病などが原因で引き起こされる動脈硬化性の疾患で、狭心症や心筋梗塞などがあります。

特に急性心筋梗塞を含む急性冠症候群では緊急でのカテーテル治療が必要となりますが、当院では24時間体制で遅延無く対応できる体制をとっています。

緊急以外の虚血性心疾患の診断や重症度は、心臓超音波検査やトレッドミル運動負荷テストなどで評価していますが、最近はスクリーニング検査として320列のマルチスライスCTによる冠動脈CTを必要であれば行っています。また、当院では心臓MRIによる負荷心筋パーフュージョンでの重症度評価やCATCHという最新の検査方法での高輝度プラークの検出なども行っています。腎臓が悪く造影剤を使用できない患者さんには造影剤を用いないMR angiographyでの評価も可能です。

FFR Angio

外来検査の結果、冠動脈疾患の疑いがあれば冠動脈造影を行いますが、治療が必要かどうかの適応はプレッシャーワイヤーを用いてFFR(冠血流予備量比;Fractional Flow Reserve)などで心筋虚血の評価を積極的に行うことで、不要なステント留置を行わない方針を遵守しています。最近ではワイヤーを必要としないFFR Angioを導入し、さらに患者さんの負担を軽減することに努めています。

有意狭窄が認められれば冠動脈形成術を施行していますが、病変の評価として血管内超音波や光干渉断層法(OCT)だけでなく、近赤外線分光法を用いて脂質成分を検出できるNIRS-IVUSも用いることにより、その場の治療だけでなくその後の再発予防も含めた適切なリスク管理を行うようにしています。

治療に際して、特殊カテーテルとしてロータブレータやダイアモンドバックの施設基準も有しており、バルーンでは拡張できない高度石灰化病変に対しても対応しています。また当院ではDCA(方向性冠動脈粥腫切除術)による治療も行っており、ステント留置が適していない病変ではプラークを削り取ることでステント留置を行わない治療も可能です。

カテーテル治療は緊急症例や治療難易度が高くなければ、基本的に橈骨動脈から行っており、患者さんの負担の軽減に努めています。最近では遠位橈骨動脈での手技も取り入れ、さらなる疼痛や安静時間の軽減に取り組んでいます。また、心臓血管外科とも密に連携をとり、内科的治療が困難な症例に対しては冠動脈バイパス術を検討しますが、最新のガイドラインを参考にチームで治療方針を決定し、患者さんにとって最良の選択を行うことを心がけています。

末梢動脈疾患について

以前は閉塞性動脈硬化症(Arteriosclerosis Obliterans:ASO)」と呼ばれていましたが、最近では、「末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease:PAD)」という呼び方が一般的となってきています。

当院では末梢動脈疾患に対するカテーテル治療も行っており、バルーン拡張やステント留置などによって下肢の痛みを軽減したり、下肢潰瘍を治療しています。この疾患で特に大事な点は、末梢動脈疾患の患者さんは体全体(心臓・脳血管)の動脈硬化が進行していることも多く、足の血管だけでなく、全身の他の血管の動脈硬化の進行がないかを調べる必要があることです。当科ではこのような患者さんに対しては頸動脈エコーや冠動脈CTなどで他の血管疾患のリスクを調べることを積極的に行っています。

また、下肢の潰瘍はカテーテル治療を行ったとしても、一旦発症すれば創傷治癒に時間がかかる事を認識する必要があります。このために皮膚科、形成外科、糖尿病内科などと連携しながら再発予防にあたっています。

心不全について

心不全はあらゆる循環器疾患の終末像であり、その病態形成には十分な理解が必須となります。最近では薬物療法の進歩などもあって、最適な治療が行われるよう常にチームで検証を行いつつ治療にあたっています。急性心不全に対しては、薬物療法とともに、必要に応じてIABP(大動脈内バルーンパンピング)などの補助循環を使用しています。さらに、薬物治療があまり効果的でない難治性心不全に対しては不整脈科や心臓血管外科との協議の上で適応を確認し、両心室ペーシングや1弁置換術や弁形成術などの心臓手術も行っております。

慢性期治療については、多職種による介入が長期生命予後改善とQOLの改善を目的とした治療に必要不可欠と考えています。このため、入院中から心臓リハビリテーションや食事指導、内服コンプライアンスの指導などを積極的に行っております。 病棟では心不全看護認定看護師を中心に毎週心臓リハビリカンファレンスを行い、医師・看護師以外に健康運動指導士、理学療法士、管理栄養士、薬剤師、臨床心理士、社会福祉士など様々な職種からの多面的な介入により心不全治療を効果的に行うようにしています。

心臓リハビリカンファレンスイメージ

心臓リハビリカンファレンスイメージ

また、近年高齢心不全患者の急増に伴い

  1. 多くの複合疾患を抱える事による病態の複雑化
  2. 入院期間中だけでは心不全に対する自己管理が難しい患者が多く、サポートが必要
  3. 高齢独居など生活自体の社会的問題

などの様々な問題を抱え、入院中だけの対応だけでは心不全と上手に関われない患者様が急増しております。

私たちは退院後も患者さんが心不全という疾患と向き合える様、また心不全再入院を減らす試みとして今後さらに増えてくると思われる心不全診療に対して十分な体制を整えるべく、病院全体で一丸となって以下のような取り組みを行っております。

外来心臓リハビリテーション 運動だけで無く心不全とうまく付き合っていける様に一緒に知識を習得して行きます。
心不全看護外来 心不全看護認定看護含め、2021年より新制度となった心不全療養指導士の資格を有した3人の看護師により、医師の外来のみでは関わり切れない、心不全患者の日常生活、療養上の問題点が解決出来るよう一緒に考えて行きます。
心不全教育入院 心不全自己管理でお困りの患者さんが知識の再習得、管理方法の見直しが出来る様に約1週間の教育入院を行います。
退院後訪問 高齢独居など自宅での生活に不安を抱えた心不全患者さんを看護師が訪問します。必要なサポートを行っています。

循環器内科に関連する症状

胸痛・胸部圧迫感 胸痛が生じる心疾患には狭心症・心筋梗塞の他に心膜炎、心筋炎、弁膜症などもあります。原因が心臓だけとは限りませんが、特に胸全体が圧迫される症状、何とも言えない胸部の不快感などが労作時に起こる場合には狭心症の可能性がありますので当科を受診してください。
息切れ・呼吸困難 これらの症状は肺疾患が原因の場合もありますが、心不全や弁膜症、狭心症の症状である場合もあります。
動悸 不整脈などが原因の可能性がありますが、不整脈科での診療が必要かどうかの判断は当科で行うことができます。
足のむくみ(浮腫) 足のむくみの原因は様々ですが、心不全、下肢静脈血栓症など当科で診断・治療できる疾患も多くあります。
歩行時の足の痛み(間欠性跛行) しばらく歩くとふくらはぎなどがだるくなり、休むと戻るような症状を間欠性跛行といい、末梢動脈疾患の可能性があります。下肢血管が狭窄・閉塞している可能性があり当科での診断が可能です。
下肢潰瘍 上記の下肢疾患がひどくなると原因がないのに足に潰瘍ができたり足の色が悪くなる場合があります。血管の異常であれば当科で治療が可能な場合があります。
めまい・ふらつき 心疾患ではない可能性もありますが、心機能の低下や弁膜症、不整脈などでこのような症状が出ることもあります。
失神 不整脈や弁膜症などの心疾患で失神することもあり、当科での精査が必要です。

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