鈴村 雄治
- 主任部長
代表的な疾患の原発性肺癌のみならず、気胸や膿胸、胸部外傷など、胸部疾患の多くを取り扱います。
インフォームド・コンセント(納得医療)とエビデンスに基づくコンセンサスの得られたスタンダードな治療を行うことを信条としています。その実現のためにチーム医療の強化・充実、他科とのスムーズな連携に努めています。呼吸器内科との連携はもちろんのこと、放射線科には画像診断のみならず、微小肺病変に対する術前CTガイド下マーキングや喀血症例における気管支動脈塞栓術を、病理部には通常の診断以外に術中迅速診断や免疫染色などの特殊診断を施行していただいております。また手術においても膿胸に対する大網充填術では消化器外科と、浸潤型胸腺腫など縦隔腫瘍が大血管に浸潤している場合は心臓血管外科との合同手術となります。気道狭窄に対するYステント挿入時の補助循環使用時も心臓血管外科との合同手術となります。また術前術後の呼吸リハビリでは理学療法部にお世話になっております。
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昨年2023年は一年間で113件の全身麻酔下手術を行いましたが、大部分(111件)を胸腔鏡手術(写真1)で行っており、低侵襲治療を心がけ実践しております。さらに低侵襲化を進め、2023年8月から肺癌に対するダヴィンチシステムを用いたロボット支援手術(写真2a,b)を開始しました。これまで15例(2024年7月末)の肺葉切除および区域切除を行い、いずれも成功を収めています。
その他に特殊な手術として手掌多汗症に対する胸腔鏡下胸部交感神経遮断術や重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術なども施行しています。救急医療においては外傷性血気胸などの胸部外傷時の呼吸管理や手術を担当しています。手術以外にも特殊技術を要する手技として気道狭窄に対するステント留置術、気道病変に対する気管支鏡下焼灼術、気道異物に対する気管支鏡下除去術などを行っています。
術前・術後カンファレンスの充実、他科との合同カンファレンスなどで日常診療内容の向上およびチーム医療の充実をはかり、またその評価をしています。
最新のコンセンサスを求め積極的に学会・研究会に参加するとともに、発表も積極的に行っております。
健診の充実と病院連携・病病連携の強化をはかり肺癌の早期発見と治療率の向上を目指したいと考えております。
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