武田病院グループ副理事長 武田道子
武田病院グループ 副理事長
康生会武田病院 名誉院長
社会福祉法人 青谷福祉会 理事長
武田 道子
■春うらら
異常気象の中、今年も桜花爛漫あっと云う間でしたが、清新の気を味わわしてくれました。鴨川堤には柳、桜を折り混ぜて心もうきうきと春を楽しませてもくれました。昼間のやさしい桜の花は、夜の光に浮き出されると、濃艶とした姿に変身いたします。
二十四節気では4月5日は〝清明〞、4月20日は〝穀雨〞、春雨が田畑をうるおし、穀物の成長をうながすと言われ、昔から人々は四季折々を楽しんでまいりました。しかし、今年は春から雨の日が多く、春日になったり、夏日になったりの日々が続いて居ります。昔から水月鏡花、足元にある小さな命、一枚の葉にも語りかけてまいりましたが、今は四季折々の自然を楽しむことも少なくなってまいりました。しかしこんな気候の中でも時期が来ると、枝先には細い芽吹きがみられるようになります。
この時期、街には新入職員と思われるスーツ姿の若者が溢れます。新社会人として、そろそろ新しい職場に慣れて来る頃ではないでしょうか?
私どものグループにも、医療の路を生涯の仕事として選ばれた多くの新入職員を迎えました。人間、医療人のお世話にならない人はありません。人生のスタートも終りも医療人のお世話になります。自分たちが選んだ仕事にほこりを持って頑張ってもらいたいものです。
世界一長寿国であり、世界一少子国の我国では、再生医療がどんどん進歩して来て居り、山中教授の発見によるiPS細胞が、不治の病気を救う日がやってまいります。しかし、長寿社会の進む道は、世界で最初のこととて、前途不安です。医療界はいつもきびしい状態が続いて居りますが、早速政府は介護費の大きな削減を打ち出してまいりました。折角の世界一長寿国が脱落してしまうかも知れません。政府は介護の軸足を家庭へと云って居ります。医療介護の費用を削減するのが目的です。しかし核家族化の我国では老々介護やお勤めを止めてしまう方もあるでしょう。実際悲しい結果になることもあるでしょう。
戦後のGNPに貢献して来られた方々を、大切にしてもらう社会でなければなりません。介護する人、される人がお互いに楽しく過ごせる社会でなければなりません。その為には、子供も老人も社会の手でみることが必要です。家庭からデイサービスへ 施設入所へ ショートステイへ 病気になれば病院へ といくつかの施設をふくんだ生活を考え、上手に廻して行くことです。
病院の通信簿と云われるものがあります。それは親切、丁寧な対応で医師やスタッフの方々が、患者さんに対する接し方によって、医療技術以前にその医療機関の評価を決めることにつながることも少なくありません。患者さんを親身になって気遣う姿勢が、医療機関の印象の第一歩であることを皆さんも心にかけていただくことをお願い致したいと思って居ります。
私達のグループでは地域の中核として皆様に選ばれ、地元の先生から信頼していただける病院、施設をめざして居ります。
それぞれの病院は、特化した施設としての責務を果たしてまいりたいと思います。縦の絆、横の絆を大切に活気ある病院をめざして居りますので、御協力をよろしくお願いいたします。
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