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たけだ通信 No.106(1月発行)

武田病院グループ会長 武田隆男

新年に思う 2014年を振り返り

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武田病院グループ 会長
 武田 隆男

■新年に思う 2014年を振り返り

 2014年は自然災害の多い年でした。人類が、自然を傷つけ、地球にダメージを与えているためかなと心配な今日この頃です。
 御嶽山の噴火は、民謡で我々にも親しい山だけに、大自然の脅威と、我々の自然に対する心構えの甘さを考えさせられました。
 3・以後、常に言われるのは、太平洋側のプレートの動きで、南海地震等々、大地震が多発するであろうという事です。富士山の噴火まで、心配しなくてはならなくなりました。他でも火山性地震があちこちで観測されている事もあり、真っ当な対策を考えていかねばならないでしょう。

 2014年は初夏よりも早くから、強力な台風が日本列島を直撃して、観測史上初めてという豪雨によって河川の氾濫、大都市の冠水、大きな土砂崩れ、土石流が発生して、多くの土地、河川が、自然災害に対応できなくなっているようです。
 台風も大型化して、瞬間最大風速mを沖縄で記録したそうですし、竜巻の大きな被害やヒョウが降って農作物に被害を与えています。
 地震に対する構造物の強化、都市下水の処理の再構築や、河川や、海岸線の災害対策等、色々な計画の再考が必要な時期にきているのでしょう。

 又、世界的に強力な急性伝染病が猛威をふるいました。アフリカのエボラ出血熱の感染者が増えましたが、WHOは対応が出来なかったのでしょう。日本のメーカーが有効な薬を作っています。確実に効果があるようですが、アメリカあたりが、あまり宣伝しませんね。何故でしょうか?
 我国ではデング熱が上野周辺で問題となりました。しかし傍から見ていると素晴らしい対応とは云えなかったですね。

 又、もうそろそろ結論を出さなくてはいけないのは原発の再稼動の事でしょう。地球は止まらず動いているのです。地震や津波は絶えず対策を考えておくべきでしょう。問題は絶対の安全というものはないという事です。原発の再稼動をイデオロギーでもって遅らせるということはあってはいけません。将来、資源がつき果てたとき、人類は必ず消滅するのです。
 原発だけではないですが、素粒子の研究を続けなければ、宇宙規模の変化に対応出来ないでしょう。人類の存続のために、研究し続け、成果をあげなければなりません。事故が万が一発生した時に、国と自治体が責任をもって、住民を絶対に守る事を検討するべきでしょう。

 さて、医療について考えますと、高齢者激増時代といわれています。2025年までに団塊世代が歳以上になり、入院率が増加してきます。このために医療費を低くおさえるようになっています。
7対1病床の削減があり、消費税増税に対応したといわれる(?)引き上げ分を除くと、医療費実費増加額は、わずか400億円だけのようです。こんなことでは医療の機能強化には進みません。

 そのような中にあって、武田病院グループでは、昨年は、地域密着型機能のいっそうの充実を図る1年でした。5月には京都府と宇治市が建設した府営住宅(150戸)の1階部分に、複合型地域高齢者支援施設「鳳凰槇島」を開設しました。高齢の方々の在宅支援サービス、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を中心とした、これまでにない新しい発想の高齢対策施設です。その他、山科区清水焼団地センターにも5月に、居宅介護支援事業所「みちくさの家」が地域住民や大学生ボランティアの協力を得てスタートしましたし、医仁会武田総合病院では、国民病として国が取り組んでいる生活習慣病対策のための「肥満外来」を開設いたしました。
 たけだ診療所(免疫・遺伝子クリニック)でも、京都府立医科大学とタイアップで行っている、NK(ナチュラルキラー)細胞による「免疫療法」(いずれも6月)の臨床を始めました。いずれも地域を支援する病院としての役割を果たせた1年であったものと確信いたしております。

 2014年に予定した康生会武田病院の救急救命病棟の増床を2015年はできるように願っております。また、医仁会武田総合病院の改修を考えなければいけない時期にきています。

 2015年は、私にとりましては、幾度目かの「未(ひつじ)」の周り年となります。四柱推命によるこの1年の運勢は、長い低迷期を抜け出し、良いことが次々起こる年で、大きなプロジェクトが実現するといいます。なるほど、2020年に開催される東京オリンピックに向けての槌音は年明け早々から響き渡ることでしょう。又、昨年はAPEC、月日に実現した安倍晋三首相と習近平国家主席による日中首脳会談で、安倍首相の冷静な対応を世界はみていました。その国の指導者の政策、品性がその国の品性を高めます。日本は何も気兼ねする事なく、堂々と進んでいくべきであり、覇権を主張する国に対しては、世界の法と秩序を世界の国々とともに知らしめるべきでしょう。

 私は辛未(かのとひつじ)だそうです。大自然の中で育った壮健な羊で、忍耐心ともに強く、人さまからの信頼も得られるようなので、この1年、関係各位様のご協力を得ながら、グループ病院のさらなる飛躍を後からおして目指してまいる所存です。皆様も、健康で力強く、地域医療の発展のため盡力していただきたいと思います。
よい年でありますように。

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