武田病院グループ：保険・医療・福祉のトータルケアを提供する京都の病院

【VOICE】
武田病院グループ　理事長
　武田 隆久

地域の医療・介護・福祉の基盤づくりに向けて

より豊かな社会環境の実現を目指す武田病院グループ。
「食事」「透析」の2つの視点から機能の充実に努めています。

食事の質の向上をめざし給食センターを新設

武田病院グループでは、"思いやりの心"という経営理念のもと、患者様やご利用者をはじめ、地域で生活するすべての方々の豊かな暮らしに、保健・医療・福祉という面から貢献していくことができるよう、常にハード・ソフトの両面から努力を積み重ねております。その一環として、グループを挙げて「食事」「透析」における新たな機能の強化を図りました。

まず「食事」に関してですが、４月１日に新築移転した宇治武田病院の隣接地に、一部を除いてグループ内の食事の調理を一手に引き受ける給食センター「タケダメディカルフーズサプライセンター」を新設いたしました。この５月より、正式稼動しております。

病院に入院中の患者様や介護福祉施設へ入居されているご高齢の利用者の方々にとって食事は、治療の一環や健康維持という面から非常に重要な役割を果たすものであると同時に、毎日の生活を充実させてくれる、何よりの"楽しみ"となるものでもあります。それだけに当グループの各施設では、これまでにも誕生日会や行事食の実施など食事の質を向上させるためのさまざまな取り組みを行ってまいりました。「タケダメディカルフーズサプライセンター」は、その集大成ともいえるものと考えております。

この新しい給食センターでは"武田病院グループの治療の一環としての給食の充実をめざす"を目標に、ＨＡＣＣＰ管理（※）やクックチル方式による徹底した衛生管理や安全性の向上はもちろん、長年、グループとして培ってきた献立のノウハウを集約することで、高品質での味の安定化もめざします。

また基本方針のなかに掲げております"地球にやさしい環境づくり"という考えにもとづいて、新センターの運営にはオール電化を採用いたしました。クリーンエネルギーの利用と調理業務を一箇所に集約することによる省エネルギー推進によって、地球温暖化をはじめとする環境問題へもより一層、貢献していくことができると考えております。

地域医療の基盤となる透析医療の充実をはかる

診療報酬改定のたびに引下げの対象とされていることもあって、透析医療は現在、経営的な側面からはかなり厳しい状況にまで追い詰められています。医療費抑制という大きな流れのなか、残念ながら透析医療を取り巻く環境は今後、より一層の厳しさを増していくことが予想されます。こうした苦しい経営状況によって、透析医療から手を引かざるを得ない、といった医療機関がでてくる可能性を否定することもできません。

しかし人工透析を必要とする患者さんは現在、全国に25万人以上にものぼり、さらに毎年約１万人のペースで増えておられていることも事実。透析医療の果たす役割や責任はむしろ大きくなっていると言っても過言ではありません。

こうした現実を受けて当グループでは、このたび新築移転を行いました宇治武田病院、そして医仁会が指定管理者として運営に携わっております精華町国民健康保険病院において、新たに透析センターを開設いたしました。

前者は中宇治地区唯一の透析センターとして、後者も透析医療の手薄な山城南地域の中核的な役割を担うことで、人工透析を必要とする患者様が安心して生活を送っていただけるような環境づくりの一翼を担っていきたいと考えております。両施設とも従前より透析医療に尽力をしてまいりました康生会武田病院および医仁会武田総合病院、十条リハビリテーション病院で培ってきた経験にもとづいた技能に、スタッフが一体となったチーム医療を積み上げることで、さらなる質の向上に努めてまいります。また東山武田病院においても年内の透析の開始にむけて、現在準備しているところです。

今後も地域のニーズを的確にとらえたうえで、より豊かな社会環境の実現に向けて、保健・医療・福祉の面から支援することができるよう努めてまいる所存です。

どうかご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。