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たけだ通信 No.92 (6月発行)

武田病院グループ副理事長 武田道子

ふくろう

photo_fukurijicho.jpg【エッセー】
武田病院グループ 副理事長
康生会武田病院 名誉院長
社会福祉法人 青谷福祉会 理事長
 武田 道子

■ふくろう


梟(ふくろう)とは強に通じて強く、梟名とは武勇の誉、勇ましい大将のことと古代中国では記されて居ります。一方、西洋では女性の従者として知性と学芸を象徴する鳥、英和のシンボルとして扱われて来ました。又、ギリシャの女神、アテネの使いとして崇められ、知恵の神様、学芸の神様、農業の神様、福を呼ぶ神様、とされて来ました。このようなお話が伝わっていることは、世界中どこにでも見られ身近な存在であったことを意味して居ります。我国でも幸福のシンボル 不苦労 としてブームになって居ります。私もふくろうを集めはじめて何年になるでしょうか。今では2000余りのふくろうが集って居ります。最近では、"しがらぎ"を中心に世界中のふくろうが集って来ました。耳がついているのはミミズク、耳の無いのはふくろうと扱われて居りますが、実際にはミミズクの頭にありますのは"羽角"と云う羽根飾りで耳ではありません。でもこの羽角がありますと目がつりあがって、鋭い印象を受けます。私が集めたいのは、まん丸お目々にまん丸頭の愛くるしいもの、眺めているだけで癒されるものなのですが、今は、どちらも入り乱れて居ります。ところが実際は肉食でネズミなどを食べている恐しいものなのです。夕闇で狩りをする姿はあまり知られて居りませんが、あの足のするどい爪を見れば恐しいように思われます。

世界中に分布しているようで、海外旅行のおみやげにも沢山いただきます。ふくろうを見ますと、私の顔が見えて来て、買って買ってと訴えるように見えるのだそうです。

現在我家には、毎年小嶋先生の新作を購入して居ります。"しがらぎvのものが大半を占めて居りますが、つい先日KBSさんの番組で地元清水焼のものが無いとのことで"キョートクチュール"のテレビ番組の中で清水焼のオートクチュールを叶先生にお願いしていただきました。

t-tsushin92.huku1.jpg私の注文、まん丸お目々とまん丸頭、首がくるくる180度回るものを完成していただきました。私の留守中は首を後に回しておけばいいですね。今、世界中の生物が環境破壊の為に絶滅の危機にあると云われて居ります中、ふくろうもその1つだろうと思います。

先日、宇宙から見た地球、月から写し出された地球はとても美しい青い星だったと報ぜられましたが、今後はどうなって行くのでしょうか。異常気象で芝桜の上に雪が積ったニュースが流れましたかと思うと、北海道では5月初旬に30度を超える夏日となり、1日内の温度差が10度を超えたとのことで、生物は順応して行けないような状態になって居ります。

ここで急な発汗の為、脱水状態となり水分を補わないと、血液が濃縮されドロドロ状態となり、梗塞が起る心配が出て来ました。予想だにしなかった熱中症の症状です。

京都議定書によれば、2008年から2012年を約束期間として設定された温室効果ガス基準年比5%削減を目標としているとのこと、以前は6%削減ではなかったでしょうか。氷が溶けて水没の危機にある国もある中、沢山の生物が失われないように今、私達が出来ることは、せめてエコライフに心がけて行くことくらいしかありません。冷暖房の温度設定を1度控えること、主電源を切ること、夜間のジャーの保温を止めること、エコバックやアイドリングストップ、家族はなるべく同じ部屋で過ごすようにすることなど、口では簡単に申しますが、実際なかなかむずかしいことです。でも、"塵も積れば山となる"と云われて居ります。心がけてまいりましょう。

今日も我家玄関には、"しがらぎ"の大きなふくろうを中心に沢山の愛苦しいお目々が出迎えてくれて居ります。この平和な日々が続きますことを祈りたいと思います。

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