武田病院グループ専務理事 武田隆司
【トピックス】
武田病院グループ 専務理事
医療法人財団 康生会 理事長
武田 隆司
康生会武田病院が症例検討会を開催
~開業医の先生方へ循環器領域の先進医療を報告~
康生会武田病院の症例検討会が9月4日、京都市下京区の新阪急ホテルで開かれ、循環器センターの木下法之部長と中村玲雄医師が、年間、400~800例もの経皮的冠動脈形成術(Perctaneous Coronary Interv-ention PCI)の治療実績を収める、康生会武田病院の先進医療への取り組みを報告しました。
■循環器領域の症例を報告
この日は、京都市内の循環器関係の医師や開業の先生方20人が参加。最初に、東義人院長が「循環器疾患の治療は康生会武田病院だけでなく、グループの表看板です。先端領域の症例発表を参考にしていただき、心臓病で悩んでおられる患者さんに喜んでいただければ幸いです」と挨拶しました。
発表の第一部では、中村医師が武田病院での2症例を報告しました。
症例1は、「55歳で心筋梗塞を発症され、DESステント留置術を受けた後、確認のために入院した03年8月に99%の再狭窄を引き起こした」ケース。この患者さんは、07年3月まで4回もの再狭窄を起こしたため、「アクトス15mg」を実施したところ、今年2月現在、症状が改善され、「無症状で元気に日常生活に復帰されています」と報告しました。
症例2でも他院からの紹介で、再狭窄を繰り返したケースで、アクトスを取り入れたところ、快方に向かうなど、アクトスの作用として、糖尿病、動脈硬化やインスリン抵抗性にも効果がある点も強調しました。
■最新のクール・レーザーによるカテーテル治療
続いて、木下部長が、「エキシマレーザー(ELCA)の導入」と題して、康生会武田病院に導入予定のレーザー光線を当てて血管内治療を行う最新鋭機器について、その優位性を報告しました。
エキシマレーザー血管形成術は、1993年にFDA承認後、冠動脈血管治療として始まり、欧米では約6万症例を実施。日本では、1993年から臨床治験が行われ、01年に冠動脈用として承認され、現在「先進医療」制度下において、循環器領域の専門医療機関で取 り組みが始まったばかり。康生会武田病院でも「認定施設」として施術を申請予定です。
従来のレーザー治療は「ホット・レーザー」のため、破砕力が大きいことで末梢血管を傷つけたケースがありました。エキシマレーザーは、「クール・レーザー」で、血管壁を傷つけることもなく、
* 熱変性が少ない(約40℃)
* 光解離作用による蒸散ができるようになった
* 境界線が明確
* 有効範囲が短い
など、大きな利点があることを解説しました。
また、レーザー治療は血栓には不適切とされてきましたが、造影剤ではなく生理食塩水とエキシマレーザーの活用によって、血栓を細かくスムーズに飛ばすことができ、冠動脈内の治療にも効果的であり、現在でも、癒着が激しい「ペースメーカーリード線抜去」治療にも有効であることを明らかにしました。
最新のクール・レーザーによるカテーテル治療
参加者全員が循環器領域の医師とあって、「プラークの状態が硬い場合は?」「血液凝固剤の使用頻度は?」といった質問が次々寄せられ、活発な論議が交わされました。
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