武田病院グループ副理事長 武田道子
【エッセー】
武田病院グループ 副理事長
康生会武田病院 名誉院長
社会福祉法人 青谷福祉会 理事長
武田 道子
■選ばれる病院になる為に
今や病院や施設はサービス業の時代です。一般のサービス業と同じように常に新しいサービスを心がけて行かねば、とり残されてしまいます。同じサービスを続けて行きますと、それがあたり前のこととなり、かえって飽きられるようになってしまうこともあります。常に患者さんからの高い満足度をいただく為には、どうしたらよいのかと考えて行かねばなりません。この頃のように医療制度が目まぐるしく変化して行く中では常に変化を先取りして、早い目に対処して行く必要があります。患者さんから選んでいただく為には、現状にドップリとひたっていたのでは、とり残されてしまいます。常により良いサービスをめざして行く必要があります。その為には、職員全体がしっかりとした知識と技術を持ち、それをPRして行く力がなければ世間からとり残されてしまいます。現在は常に患者さんの満足度に注意を払わなければなりません。
今日のように医師・看護師不足、更に介護の世界でも介護職の不足と、きびしい時代では充分患者さんの御期待に対応出来ないこともあるかも知れません。医療崩壊の危機がとりざたされている時代です。患者さんの御不満は病院の評価や施設の評価にはね返ってまいります。職員が多忙をきわめる中だからこそ一人ひとりの教育が必要です。
毎年、永年勤続優秀職員の表彰をさせていただいて居りますが、大勢の方が居られるのに驚いて居ります。このように多くの立派な職員が居られるのに人材の育成が出来ていないように思われます。
病院グループの経営理念であります"思いやりの心" "橋をかけよう"を実行していただければ、もっと"和"のある病院施設になることが出来ると思われます。
活力ある病院施設とは職員の一人ひとりが自分の仕事に自信を持ち、その仕事に"ほこり"を持つことだと思います。そうすれば、すばらしいチーム医療が出来ることと思います。
先日、タクシーで来院された患者さんが受付でどこへ行ったらよいか尋ねられた際、なかなか応対してもらえず困って居られた時、通りかかった別の職員が親切に案内して下さったと感謝され、この様子を見て居たタクシーの運転手さんからお礼の電話がありました。よい結果で"ほっ"といたしましたが、受付の対応で悪い風評が立てば、病院の評価はさがってしまうと云うことになります。"思いやりの心"は末端迄伝わっていないのではと云う声を耳にいたします。特に受付は病院の顔、笑顔でやさしく接して下さらないと全体のイメージダウンにつながります。
今年は変革の年、今一度"経営理念"を心に命じ、専門知識と技術をみがき、地域の皆さんから安心信頼が得られるように、原点に立ち帰り、一歩前進して行って下さるように頑張っていただきたいと思います。 患者さんから選ばれる病院になる為には、
ここにサービス向上委員会の役割が大きな力となってまいります。ホスピタルコンシェルジェの必要も出てまいります。 どんなにすぐれた医師を揃えていても、最新の医療機器を備えていても、たった一人のスタッフの印象によって病院のイメージは駄目になることもあります。 地域に広がる風評は致命的な結果となることもあります。病院経営の根幹は、勿論良質の医療の提供とインフォームド・コンセントであり、 患者さん本位の看護・接遇であります。私達はこれを目標として、プラス思考で頑張ってまいりたいと思って居ります。
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