武田病院グループ理事長 武田隆久
【VOICE】
武田病院グループ 理事長
武田 隆久
武田病院グループ
地域の健康増進に向けた市民公開講座への取り組み
国民医療費の3割が生活習慣病に関わる疾患と言われる今日、病院は発症後の治療だけでなく、病気の予防、地域の健康づくりもその役割として大きく期待されています。武田病院グループでは、特定健診制度の実施に伴う活動の一環で、毎年「糖尿病市民公開講座」、「健康管理懇談会」を開催するなど、広く市民の方への啓発活動に取り組んでいます。今後も当該疾患の専門家による解説、アドバイスの場を継続的に設けることで、地域の健康増進に貢献してまいります。
■増え続ける国民病「糖尿病」予備軍を含めその数1870万人
国が重要な医療課題として掲げる「4疾病5事業」。4疾病とは、国民の健康の保持を図るために、特に広範かつ継続的な医療の提供が必要な疾患で、具体的には「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」を指します。5事業とは、救急医療等確保事業と呼ばれ、「救急医療」「災害時における医療」「へき地の医療」「周産期医療」「小児医療(小児救急医療を含む)」を指します。
武田病院グループでは、4疾病5事業で示される救急医療、生活習慣病、いずれについても重要課題としております。
近年、生活習慣病が急増しており、国民医療費の約3割が同疾患に費消されていることをご存知でしょうか。死亡率の約6割はこの生活習慣病が原因となっています。
食生活の欧米化や、運動不足が招く肥満により、糖尿病、高血圧、高脂血症といった危険因子が心疾患や脳血管疾患を発症させます。
当グループでは、地域の健康増進を図るため、個人や団体などの医療保険者にメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した、生活習慣病予防のための「健診・保健指導」を実施しています。
中でも国民病と言われる糖尿病は、その予備軍も合わせると、1870万人になると言われ、今後もその数は増え続けると予測されています。
これは日本だけでなく、世界的な傾向で、既に世界中で2億人(成人人口の約6%)もの方が糖尿病を患っています。2025年には、3奥8000万人(現在の65%増)に達すると予想されており、糖尿病の対策は世界的な課題となっています。このため、毎年11月14日を「世界糖尿病デー」とし、様々なイベントが繰り広げられています。
当グループでは、昨年から4回にわたり「糖尿病市民公開講座」を開催するなど、一般の方を対象とした糖尿病対策に力を注いでおります。
会場はJR京都駅西にあるキャンパスプラザ京都です。どの口座も、250~300人もの方が参加、皆さんの関心の高さが伺えます。
このほか、健康管理懇談会、アスニー京都・山科健康口座など、武田病院グループが展開する公開講座について、活動内容をお伝えいたします。
■生活習慣病予防のため正しい知識と効果的な予防法を周知
武田病院グループでは、京都市生涯学習センター「京都アスニー」「アスニー山科」を会場に、医師や専門スタッフによる市民向けの公開講座を定期的に開催しています。
最近の事例では、骨粗鬆症(骨そしょう症)について医仁会武田総合病院の森田陸司院長が「丈夫な骨で活動的な毎日を」と題する講演で、骨を守るための秘訣を解説。また、注目されるメタボリックシンドロームについて、同院栄養科の辻真理係長が、「脱メタボ~たかが食事、されど食事。食事は健康の源です~」と題する講演で、食事の偏らないダイエットについて説明するなど、いずれも好評を得ています。
とくに生活習慣病については、罹患(りかん)前の健康維持・増進が必要となるため、こうした公開講座などで、正しい知識と効果的な予防法を身につけることが大切です。
9月6日には、京都駅西のメルパルク京都で「第5回糖尿病市民公開講座」を開催致しますので、是非、お越し下さい。
今後も武田病院では、地域の方の声をお聞きしながら、健康増進に向けた様々な取り組みに努力してまいります。
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