武田病院グループ理事長 武田隆久
【VOICE】
武田病院グループ 理事長
武田 隆久
予防・検診・治療 多面的にがん医療を展開する
武田病院グループの取り組み
日本の平均寿命は世界トップの82.7歳。
皆保険制度による医療の普及と、医療の質の高さにより、循環器病の死亡率が低いのが主因と言われています。
その一方で"がん"になる方は増え続けており、大きな問題となっています。当グループも"がん"への対策をとりわけ重視しており、予防・検診から先端分野の治療法まで幅広く取り組んでいます。
今回は、最新の治療法の解説も交えながら、武田病院グループの"がん"への取り組みをご紹介致します。
■早期発見・早期治療に向けた最新・高精度の検診を実施
がんの罹患は、生活習慣と強い相関関係にあります。肉食に代表されるいわゆる「食生活の欧米化」と喫煙により、大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど様々ながんが増加していると指摘されています。
当グループでは、まず正しい知識を得て、食生活を改善していただくのが、何よりの対策と考え、専門家による解説・アドバイスの場となる市民公開講座を継続的に開催しています。
さらに、生活習慣病予防外来・メタボリックシンドローム外来(東山武田病院)をはじめとする専門外来を開設し、生活指導によるサポートも行っています。こうした専門外来では、専門医、保健師、日本糖尿病療養指導士の資格を持った看護師や管理栄養士、健康運動指導士が連携して、きめ細やかな診察や指導で生活習慣病の治療・予防にあたっています。
一方、検診につきましては、武田病院健診センター(JR京都駅前)、ラクト健診センター(JR山科駅前)のほか、東山武田病院健診センター(東大路馬町)、宇治武田病院健診センター(JR宇治駅前)、医仁会武田総合病院健康管理センター(地下鉄石田駅前)などで、各種人間ドックや生活習慣病予防健診を行っております。
とくに、京都駅前のタケダ放射線科クリニック武田病院画像診断センターでは、最新のPET-CT機器を活用したがん検診を行っております。細胞の活動状況(糖代謝)を画像で見るPETと、細やかな位置情報を検出するヘリカルCTがひとつのシステムになることで、病巣の発見・診断能力を飛躍的に高めた機器です。
また、内視鏡による検診・治療も非常に有効です。食道や胃、大腸などを内視鏡でくまなく検査し、早期のがんであればその場で取り除く治療に取り組んでいます。とくに、微細がんの発見に有効なNBI内視鏡を導入するなど、質の向上に努めています。 何より"がん"は、できるだけ早期に発見し、早期に治療を行うことが重要です。それには、定期的な健診による早期発見が効果的ですので、これら最新機器と技術を駆使した、高精度の検査をお役立て下さい。
■免疫治療・分子標的治療など最先端の治療法も展開
従来のがん治療は外科的治療(手術)、内科的治療(化学療法、放射線など)に分けられていましたが、近年ではがんの進行度や性質により、内科的治療後に外科的治療を行ったり外科的治療後に内科的治療を行うなど、分野の違う専門家が協力することで、より高い治療効果につなげる集学的治療が主流となっています。
当グループにおいても、呼吸器センター、消化器センターなど、臓器別に専門家が結集するセンター方式を採用することで、患者さんが受けられる治療の選択肢を広げ、より的確で効果的な医療の提供に努めています。
また、最先端のがんの研究分野である免疫療法や分子標的治療に取り組み、治療成績の向上や、より多くの方への治療機会の拡大をめざしています。
私たちの体内では、毎日3~4000のがん細胞が発生し、免疫機能が排除しています。この免疫機能を高めることで、治療につなげるのががんの免疫療法です。治療だけでなく、他の治療と組み合わせ、がんの再発予防につなげるなど、大きな効果が期待されています。
同療法については、平成11年からたけだ免疫・遺伝子クリニックで取り組んでおり、他にはない豊富なノウハウを背景とした最先端の治療を提供しています。
康生会武田病院では分子標的療法を用いた集学的治療を行っています。従来の抗がん剤が、正常な細胞も攻撃してしまう副作用が多く認められるのに対し、分子標的治療薬は、がん細胞の増殖に関わる特定の分子を狙って攻撃するのが特徴です。最も恐ろしい "がんの転移"を防ぐ効果が期待されるため、当院をはじめ、臨床研究による解析に力を注ぐ考えです。
このほか、放射線治療機器であるトモセラピー(宇治武田病院)、また他の療法を組み合わせることでさらに力を発揮するがん温熱療法「ハイパーサーミア」(東山武田病院)など最新の治療機器も積極的に活用しています。
当グループでは、皆様のライフスタイルにあわせて、検診できる環境や診察時間を幅広くもち、また気軽に健康のご相談をしていただけるよう取り組んでいます。安心ある暮らしのお手伝いができる身近な医療機関として今後も努力してまいります。
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