武田病院グループ理事長 武田隆久
【VOICE】
武田病院グループ 理事長
武田 隆久
「より安全」で「より高度」な医療を
地域に提供する病院グループとして
日本人の三大死因とされる「脳卒中」は、がん、心臓病と並ぶハイリスクな疾患で、毎年13万人もの方が亡くなっています。当グループでもこれを重視し、脳卒中の専門医療チームが発症初期から24時間体制で集中的な治療を行う「脳卒中センター」を医仁会武田総合病院に開設しました。
さらに、提供する治療の精度を高めるべく、手術支援用ナビゲーションシステムやCアームイメージングシステムなど、最新で高度な医療機器を導入しています。このように、質の高い治療を、より安全に、そして患者さんの負担をできるだけ軽減する優しい医療をめざし、今後もグループ全体で努力を続けてまいります。
医仁会に脳卒中センターを開設
市内唯一のSCUで専門チームが対応
この度の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、大きな被害をもたらす未曾有の事態となりました。
地震・津波で損壊された医療・介護施設も数多く、沿岸部では4割の病院で通常診療ができない状況となっています。
被災地及び避難先でお困りの方々を支えるためには、組織的な支えが不可欠です。当グループにおきましても、各医療団体と連携し、透析患者さんの受け入れや、臨床研修医の対応をはじめ、可能な限りのご支援をさせていただいております。一日も早い復興を祈念致します。
救急分野に代表される地域医療の提供体制は今も危機に瀕しており、目の前のかけがえのない生命を守る取り組みはまさに「まったなし」の状況にあります。
これに対応するため、医仁会武田総合病院ではこのほど、「脳卒中センター」を開設しました。ここでは、厚生労働省の定める脳卒中ケアユニット(SCU)を3床設置し、多職種で構成される専門チームが、24時間体制で脳卒中急性期の患者さんの治療にあたっています。
このSCUとは、急性期の脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血等)の患者さんに対応する専用病床です。脳卒中の専門知識を持つ経験豊富な脳神経外科医師、神経内科医師、看護師、リハビリテーションスタッフらによる専門チームが、発症早期から24時間365日体制で集中的に治療を行います。
京都市内でSCUの認可施設は、医仁会の脳卒中センターのみです。また、急性期脳梗塞に対するtーPA治療(経静脈血栓溶解療法)並びにMerci治療(血栓粉砕治療)においても、実施可能な施設に認定されています。
脳卒中の医療需要は年々増大を続けており、同センターが軌道にのれば、施設規模の拡大や新たな拠点を開設することも視野に入れています。
最新医療機器を駆使し患者さん本位の医療を展開
また、より精度の高い手術を行うため、同院では次世代手術用Cアームイメージングシステムやアンギオグラフィーを導入しました。詳細は次ページで紹介しますが、これら最先端機器を導入することで、今まで見ることができなかった断層像を、リアルタイムに観察しながら手術することが可能となりました。このことは、診断や手術の精度が向上するのはもちろん、検査時間や被曝量の低減につながるなど、患者さんの負担を減らす優しい医療の実現に大きな効果が期待できます。
同機器の導入に併せて医仁会武田総合病院では、手術支援用ナビゲーションシステムも導入しました。これは、患者さんの断層画像から3D画像を作り出し、安全かつ迅速に手術が行えるようナビゲートする新しい医療機器です。病変への到達が早く、精確になるため、より安全で患者さんの負担の少ない治療につながります。
今後も当グループでは、こうした患者さん本位の医療を充実すべく邁進してまいります。
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