武田病院グループ:保険・医療・福祉のトータルケアを提供する京都の病院

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たけだ通信 No.99 (11月発行)

武田病院グループ理事長 武田隆久

地域ニーズに対応し機能を再編 〜透析治療やがんの遺伝子治療など 京都駅前に新たな外来を開設〜

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武田病院グループ 理事長
 武田 隆久

地域ニーズに対応し機能を再編
透析治療やがんの遺伝子治療など
京都駅前に新たな外来を開設

現在、全国では約30万人もの慢性透析患者さんがおられます。毎年、3万7000人余りの方が新たに透析医療を始めておられるなど、透析医療に対するニーズは年々高まっています。武田病院グループでは、こうした疾病の予防を目的とした啓発活動に力を注ぐ一方で、優しく良質な透析医療が受けられるよう京都駅前に「京都駅前武田透析クリニック」を開設しました。地域の方だけでなく、通勤・通学を含めた幅広い方に、最新の医療環境を提供してまいります。

原疾患の半数は「糖尿病」
増加する透析医療ニーズに対応

透析医療で注目したいのはその原因となる疾患です。実は、透析を受ける第一位の理由は「腎臓起因」ではなく「糖尿病」によるもので、新規透析導入の半数近くを占めています。

糖尿病の発症から10~15年を経過すると糖尿病性腎症を発症するケースが多く、30年を経過するとおよそ40%の方が腎不全から透析導入になると言われています。国内の糖尿病患者さんは700万人で、潜在的患者さんを含めるとその数は2000万人にのぼると推計されています。この数字から、今後、慢性腎臓病(CKD)・透析治療に対応していくことがいかに大きな課題であることかが感じられると思います。

このような状況を背景に、透析医療は目覚しく進歩・発展しています。
かつては人工透析を導入してもそれ程長く生きられない時代もありましたが、現在では20年以上、透析治療を受けられている方も珍しくなく、最長で42年も続けられているなど、日本の医療レベルは世界のトップと言っても過言ではありません。

ところが近年、透析医療に対する診療報酬は約半分に削減されるなど、ある面では大きな矛盾を抱えています。提供する医療の質と安全を担保しつつ、これまで以上に経営努力を求められるなど、厳しい環境に医療機関はさらされているのです。

こうした状況のなか武田病院グループは、京都の玄関口であるJR京都駅前に、「京都駅前武田透析クリニック」を開設しました。極めて交通アクセスの高い立地であり、地域の方はもちろんのこと、通勤・通学で京都駅を利用される多くの透析患者さんのニーズに対応できると考えています。同クリニックでは、最新の透析医療設備を導入するだけでなく、患者さんのプライバシーを重視し、全ての透析ベッドを個室・準個室にするなど、快適な環境づくりにも力を注いでおります。

同時に、東山武田病院を閉院し、その機能を他の病院医院に分担。さらに、たけだ免疫・遺伝子クリニックの京都駅前への移転など、地域の声に対応したグループ機能の再編・集中を行っています。今後も、患者さんの治療や通院の負担軽減を追求しながら、質の高い安全で安心な医療サービスの提供に努めてまいります。

地域の方と一緒になって啓発・健康増進活動を展開

質の高い医学を提供するのは医療機関として当然のことですが、何より重要なのは、罹患しないよう予防することです。そのためには疾病の正しい知識が欠かせません。当グループでは、糖尿病・がん・脳卒中・心筋梗塞の主要4疾病、さらに骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や睡眠時無呼吸症候群など幅広い疾患を対象とした市民公開講座を開催しています。

この11月には、京都府立医科大学と当グループのたけだ診療所・免疫遺伝子治療センターの共催により「体にやさしい最先端のがん治療」(京都新聞社後援)を京都烏丸コンベンションホールで開催。満席となる350人が集まり、最新の治療法とこれからのがん医療を皆さんと一緒に学びました。

会場にお越しの方からは、疾患そのものへの知識や疾患にかからないための生活習慣など、健康に長生きするための情報への高い学習意欲を感じました。

こうした気持ちに応えられる身近な医療機関として、皆さんと一緒になって、地域の健康増進と高い医療サービスの提供に努めてまいります。

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