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たけだ通信 No.100 (4月発行)

武田病院グループ副理事長 武田道子

100才のハードルは越えられるか!(記念号)

photo_fukurijicho.jpg【エッセー】
武田病院グループ 副理事長
康生会武田病院 名誉院長
社会福祉法人 青谷福祉会 理事長
 武田 道子

■100才のハードルは越えられるか!

少子高齢化社会において、介護予防の重要性が増して来て居ります。昨年100才以上の方が、4万7000人と発表されました。毎日の食生活、暮らし方、ものの考え方の積み重ねが、100才の元気につながってまいります。政府は、在宅支援へと病院施設から家庭にかえすことを推奨して居ります。しかし、少子高齢化の我国では、むつかしいのが現実なのです。

老、老介護では共倒れになってしまいます。我国では、親の介護は嫁の務め。施設にあづけたりすると、何と云われるかと云う考え方があります。しかし昨今は、忙がしい時や学校がお休み中など、子供さんを連れて旅行する時、ショートステイを利用される方が増えてまいりました。デイケアにさそっても最初は嫌がられる方が多いのですが、お帰りの際には、笑顔もみられるように変わってまいりました。

うちのおじいちゃん、おばあちゃんは、人見知りをするので、共同生活は無理と云って居られる御家族様も居られるのですが、1日中家にこもり、中には1日中天井を見て過ごして居られるお年寄りは、実際にデイサービスを体験されますと、又、行こうかと思われるようになります。

我国の風習の中に、他人を家の中に入れたくないと訪問サービスを拒否されるお宅も少なくありません。その点デイサービスでは、何より大きなお風呂に入るのが、楽しみだと云われるようになります。御家族さんも安心して、御家庭のことも出来ますし、用事を片付けることも出来るのです。

WHOでは、高齢者の健康は、生死や疾病の有無ではなく、"生活機能の自立"の程度で決められると、提唱されて居ります。生活機能の自立が"健康"の指標なのです。

医学の進歩で、高齢化が進み、高齢者医療が多くなるので、政府は財源が続かないと云って居ります。しかし、戦後のGNPを支えて来たお年寄りに対する考え方ではありません。

介護認定の4とか5の方でも、在宅支援を受けられる時代になりました。地域包括支援センターの仲介で、スムーズに支援が受けられるようになっていただきたいものです。

t-tsushin100.huku1.jpg政府は、平成20年度から、生活習慣病予備群を25%減らす為の健診を開始して居ります。国民皆保険と云うすばらしい我国です。予防、病気の早期発見、早期治療によって医療費は削減されるのです。

デイサービスによって、少しずつ歩けるようになったり、絶対ひとりにして置かないと云った時を過ごすことによって、いろいろな人々とお話しをしたり、笑ったり、唄ったりすることで、認知症も改善されて来るのです。

日本を支えて来られた人々は、社会でみると云うことが、当然のことと思います。長寿の秘訣、3食食べて体を動かせることによって汗をかき、みんなと共にテレビをみたり、唄ったり、笑ったりして、ひきこもる事なく、楽しい日々を過ごされることを祈りたいと思います。笑うことで、痛みがまぎれるようになり免疫機能も高くなります。笑いは、お金のいらない治療法なのです。 "笑う門には、健康来たる"です。つくり笑いでもよいので笑って下さい。生活習慣の改善で100才のハードルは越えることが出来るのです。

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