武田病院グループ:保険・医療・福祉のトータルケアを提供する京都の病院

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たけだ通信 No.102 (6月発行)

武田病院グループ理事長 武田隆久

脳卒中センター・最新鋭の医療機器など 差し迫る医療ニーズに対応し機能を充足 施設の基盤整備でグループの連携も強化

photo_rijicho.jpg【VOICE】
武田病院グループ 理事長
 武田 隆久

脳卒中センター・最新鋭の医療機器など
差し迫る医療ニーズに対応し機能を充足
施設の基盤整備でグループの連携も強化

世界に例のない少子高齢化社会を迎えたわが国では、高齢化に伴う国民医療費の増大と適切な医療提供体制等の確保が大きな課題となっています。持続可能な社会保障制度の実現を掲げる政府は、社会保障制度改革国民会議で「病院・介護施設を地域の将来ニーズに合った形へと再編成する」という方針を示しています。社会保障制度を守ることはもちろん重要です。しかしながらこの方針は、"財政の健全化"がそもそもの動機付けとなっているため、本当に必要な医療まで削られてしまうのではないかという大きな懸念があります。我々医療者は、今後も必要な医療を堅持できるよう現場の実態や患者さんの声を広く発信し続けていく考えです。これと同時に武田病院グループは、どのような再編にあっても"地域に質の高い医療・介護サービスを提供する"体制が維持出来るよう、質の向上と組織基盤の強化に努めていく考えです。

■康生会武田病院 脳卒中センターを開設

毎年13万人もの方が亡くなる「脳卒中」。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」やくも膜と軟膜の間の動脈瘤が破れる「くも膜下出血」などがこの代表例です。
近年の傾向としては、脂質異常症や糖尿病などが増えたため、血管が詰まる脳梗塞の発症比率が増加する傾向にあります。また、くも膜下出血を発症した患者さんの3分の2は、死亡されるか重い後遺症となってしまうなど、脳卒中は恐ろしい疾患なのです。

治療には、脳卒中を専門とする集中治療室・専門の医療チームで対応することが望ましいのですが、京都市内ではこうした施設がまだわずかしかありません。

そこで当グループは4月、康生会武田病院に「脳卒中センター」を開設しました。同センターは危険な状態にある脳卒中の患者さんに対し、医師、看護師、リハビリスタッフらによる専門の医療チームが、濃厚な治療とリハビリテーションを組織的に行うものです。

さらに、マルチレイアウト大型モニタ付きの脳血管造影装置や80列CTなど、最新で高性能な検査機器も備え、より精確な診断・治療につなげています。

さらに術後の在宅復帰を支えるリハビリテーションについても、十条武田リハビリテーション病院をはじめ、グループ病院・各種の在宅サービスがバックアップすることで、安心ある治療環境・在宅での療養環境をご提供できます。

■最新鋭の320列CTを導入 造影剤の使用量減少も検討

t-tsushin102.riji1.png近年の検査機器の要の一つとなっているCT撮影装置。医仁会武田総合病院ではこのほど、最新式の320列CT「Aquilion ONE / ViSION Edition」を導入しました。
このViSION Editionは、近畿地域ではまだ2台しか導入されていない新型機で、従来型のCT撮影では困難なケースでも幅広く対応できるのが大きな特徴です。

しかも、少ない放射線照射で鮮明な画像を得る画期的な機能を備えており、検査時の被ばくを大幅に低減することが可能です。


t-tsushin102.riji2.pngt-tsushin102.riji3.pngこのことは、造影剤の使用量を減らせられることにもつながります。肝臓・腎臓・甲状腺等に疾患があり、ヨード造影剤に課題のあるケースでも、量を減らすことで
適用が考えられるなど、当グループでは様々な可能性を探っていく考えです。

このように、従来は適用できなかった治療や検査が出来るようになったり、これまで以上に患者さんのご負担を減らせるなど、医療分野の技術革新は日進月歩です。当グループは、地域に最新の医療環境を提供できるよう、今後も努めてまいります。

■連携強化と地域への浸透に向けグループ機能の集中・名称変更

これまでも京都駅前に医療機能の集約を図ってきた当グループではこのほど、康生会武田病院の透析ベッドを、京都駅前武田透析クリニックに移しました。これで、クリニックでは完全個室タイプ4床、準個室タイプ36床の合計40床となりました。地域の末期腎不全医療に貢献するため、さらなる質の高い透析治療の提供をめざします。

また、当グループでは、運営管理者を明確にし、地域の皆様との親しみを深めて戴くため、病院・クリニックの名称を一部変更しました。 武田病院グループであることを全面に立て、さらなるグループ施設間の連携を強化し、ひいては地域の皆様に質の高い医療・介護サービスを提供することにつなげていく考えです。

今後も、患者さんお一人おひとりのニーズ・生活環境に対応したサービスを通じて、今まで以上に地域医療に貢献してまいります。ご指導ご鞭撻を宜しくお願い致します。

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