武田病院グループ:保険・医療・福祉のトータルケアを提供する京都の病院

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たけだ通信 No.104(4月発行)

武田病院グループ理事長 武田隆久

実質マイナスとなった2014診療報酬改定 〜地域の医療を守ることを優先に政策への対応・医療の質の向上をめざす〜

photo_rijicho.jpg【トピックス】
武田病院グループ 理事長
 武田 隆久

実質マイナスとなった2014診療報酬改定
地域の医療を守ることを優先に
政策への対応・医療の質の向上をめざす

病院や診療所など医療機関が提供する医療行為や薬の公定価格は、細部に至るまで「診療報酬」として定められています。これは2年ごとに価格が改訂されるもので、事実上、国がめざす医療のあり方を実現するための誘導策として直接的・間接的に推し進められています。

今回の改定率は全体ではプラス1.0%で、一見すると手厚くなったような印象がありますが、診察報酬は消費税込みという前提になっているため、消費増税分を除くと実質の改定率は1.26%のマイナスとなります。

医科と呼ばれる病院や診療所の報酬はわずかのプラスとなりましたが、依然として経営が厳しい状況にあることは変わりません。

とりわけ今回の改訂では、「高度急性期」と呼ばれれる、基幹病院を絞り込み、そこから患者さんを受けて回復をお手伝いしたり、在宅に戻していく機能の強化に絞られた内容となっています。結果として、ふるいで落とされ、方向性を変える医療機関が多く出てくることでしょう。

もちろん、中長期にわたり制度を維持するためには、このようにロングスパンの見地に立つことも重要でしょう。しかしながら、現場の医療に目を移すと、これが必ずしも適合するとは言えないのです。

例え採算性が少ない医療サービスであっても、対象となる方がいらっしゃる以上、それは必要な医療と言って過言ではありません。様々な疾患に対しトータルに対応できてこそ、地域をご支援する医療機関として信頼を戴けるのではないでしょうか。

保険財政の維持に向け、可能な範囲で高率を求め、カットできる医療費については抑制を図るのは当然の務めとして実行しております。それ以上に、求められる医療については患者さんの声を代弁し、必要性を訴えるなど、地域を守る医療機関としての責務を果たしていく考えです。地域の皆さんの信頼に応え、今後も努力してまいります。

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