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くすりのお話し

お薬との正しい付き合い方を理解していただくために、また、日々進化するお薬のことを知っていただくために、「くすりのお話し」をさせていただきます。

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

2015.10.20 スマホ版お薬手帳「京都e-お薬手帳」のご紹介/たけだ通信108号より

宇治武田病院
薬局長
内本 恵介

 大規模災害が発生したとき、とっさにあなたが確保するものは何でしょうか。

 真っ先に脳裏に浮かぶのは、あなたにとって大切な人でしょう。さてそれと同時に、いいえそれ以上に(?)まず確保するのが、火の始末及び携帯電話ではないでしょうか。

 東日本大震災の折にも、お薬手帳に薬の名前、用法用量が記載されているため、電子カルテなどの電気機器が使えない状況下で、医療情報として活用された実績があります。日本で医療情報を共有できる唯一の道具として、大いに活用できるお薬手帳ですが、被災時に持ち出されるケースは多くはなかったようです。

 「京都e-お薬手帳」とは、お薬手帳の記載内容の一部である薬剤情報を電子化しスマートフォンに保存することで、大規模災害の緊急時等での活用や、院外薬局への服薬情報持参率向上による服薬指導の充実と京都府民の健康増進を目的とし、厚生労働省が進める「どこでもMY病院」制度の一環として、京都府薬剤師会が京都府から助成を受けて行う事業です。いいかえると「京都e-お薬手帳」とは、スマートフォンにお薬手帳を入れて医療に役立てようとする「電子お薬手帳」です。

 でも震災のときだけではありません。これまでのお薬手帳には、処方箋にあるような医薬品名と用法用量までしか、記載されていないのが現状です。「京都e-お薬手帳」では、効果は何か?副作用は?使用上の注意点は?等の情報を、携帯電話の機能を活かして、効率よく検索できるようになっています。また、家族分のお薬手帳を1台のスマホで管理することもできます。

 ただしまだ、読み込み機器等が府内各施設に十分に普及されていない現状と、これまでの紙媒体での対応からの変換対応等がまだ進められていないことなどから、京都府薬剤師会は現時点では、従来の紙製のお薬手帳をあくまでサポートする位置づけとして、「京都e-お薬手帳」普及を推進しています。

 現在、対応可能な薬局・病院はまだ限られていますが、かかりつけの薬局でも対応可能かご確認ください。ご不明な点や詳細の問い合わせ、「京都e-お薬手帳」ダウンロードの方法など、下記の京都府薬剤師会のホームページを参考になさってください。
http://www.kyotofuyaku.or.jp/e-techo/index.html

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