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健康相談Q&A

このコーナーでは、世間の関心が高い疾患を皆様にわかりやすくご紹介します。 読者の皆様からのご質問に答えていきます。

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

2012.11.01 尿路結石について/たけだ通信101号より

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医仁会武田総合病院 結石治療センター センター長 東 義人



尿路結石と診断されました。どんな病気ですか?

尿路は、腎臓と尿の通り路、すなわち尿管や膀胱、尿道を指します。尿路結石とは文字通り、尿路に発生した石です。本来、尿中に溶け込んで排泄されるカルシウムやシュウ酸、尿酸といった物質が、溶け込みきれず、結晶成分となってお互いにくっついて固まったもので、文字通り石のように硬くなったものです。

痛みは無いのですが、放置するとどうなりますか?

腎臓内の結石は、通常、無症状ですが、尿とともに尿管から膀胱に下降する際、激痛を覚える場合が多々あります。また、運良く痛みを感じない場合でも、結石が尿管に閉塞すると、腎臓から尿が流れなくなって、腎機能を障害する恐れがあります。

職場の同僚にも結石患者がいますが、ポピュラーな病気ですか?

最近の調査によると、男性は7人に1人が、女性は15人に1人が、一生に一度は尿路結石にかかるとのことです。そういう意味ではポピュラーな病気です。

遺伝や体質と関係ありますか?

遺伝の関与に関しては解明が遅れていますが、女性患者さんのほうが男性患者さんより、家族歴のある頻度が高いようです。また、男性患者さんは父・兄弟に、女性患者さんは母・姉妹に結石の既往が多いそうです

結石と診断されたら、どうすれば良いでしょうか?

泌尿器科専門医を受診し、結石の部位・大きさ、尿や腎機能への影響を検査した上で、手術的治療法、薬物的治療法、あるいは経過観察など、治療方針を立ててもらいましょう。

手術的治療法にはどのようなものがあるのですか?

最近ではほとんど開腹手術はいたしません。身体の外から衝撃波というエネルギーを投与して結石を粉々に破壊する破砕療法、尿道から細いファイバースコープを挿入して、レーザー光線で破壊する方法、背中から腎臓に直接針を突き刺して、その針穴を少し拡張して、内視鏡を用いて腎臓を覗き込み、結石を破壊・吸引する方法などがあります。

再発しますか?どのような生活習慣を身につければ良いのでしょうか?

従来からの生活習慣のままでは再発します。水分を多く摂取すること(冬は1日に2リットル、夏は3リットル)、甘味飲料水は控えること、コーヒー・紅茶にミルクを入れること、牛乳を飲むこと、食事は腹八分目に控えること、就寝直前の食事は避けること、動物性タンパクや脂肪の摂取を控え、野菜類を多くとる事。塩分・砂糖分を控えること、ほどよく運動をすることなど、メタボ対策でも聞かれる内容とかなり重複しています。また、治療して結石が消失した後も、定期的に受診し、再発検診を受けましょう。定期検診を受けるだけでも再発防止に役立つと言われています。これを、「ストーン・クリニック効果」と呼びます。

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