お薬との正しい付き合い方を理解していただくために、また、日々進化するお薬のことを知っていただくために、「くすりのお話し」をさせていただきます。
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。
稲荷山武田病院 薬局長 松井 智子
最近病院でも「お薬手帳」を出される方が増加してきました。今、日本の病院で使える薬として認められているものは、実に1万数千品目を超えています。
血圧の薬一つをとっても、作用点(効果の仕組み)の違いにより数種類に分類されます。また同じ成分でも複数の会社が製造していると、全く違う名前になります。さらに同じ名前の薬
でも、1錠中に含まれている量が10mgと20mgという具合に複数の規格が存在するのです。
薬の名前を覚えていても10mgと20mgのどちらを飲んでいるのかまで正確に言える方は少ないでしょう。それが複数種類になると困難を極めます。そんな時役立つのが「お薬手帳」です。1
冊のノートに処方された情報を記録します。これで自分の飲んでいる薬の名前・規格・用量が一目でわかります。
これさえあれば、他の医療機関を受診する時、医師に見せれば今までの服用歴の情報を伝える事が出来ます。
もう一歩上手な活用法としては、服薬時に経験した副作用の情報やその他気になった事を記録しておくと次回の受診時に忘れる事なく主治医に伝えることが出来ます。一方では、複数の病
院で処方された薬を一冊の手帳に記録する事により、重複や飲み合わせ等のチェックにも役立ちます。
2011年3月の東日本大震災の発生以降、「お薬手帳」の有用性が、認められ一気に普及しました。津波で多くの物が失われたあの災害の折、服薬情報の伝達として非常に役立ったから
です。
「お薬手帳」はその人の服薬の歴史が詰まっています。過去にどの様な薬を服用し、どの様な副作用を経験したか、又、現在どの様な薬を服用しているのかを、正確に他者に伝える為の有
効な手段です。
手帳は薬局で無料で作ってもらえます。ただし記録する事には情報提供料として負担(~数十円)が必要です。
1冊の手帳の情報を複数機関で共有しよりよい医療サービスを受けるために役立てて下さい。
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